先週、今年の受験生の過去の成績を出して分析してみました。(本人了承がとれたA君紹介)

昨年2月の模試の成績から。

A(入塾2か月の子)

4科目総合SS36、素点で157点。(SS36で合格出来る私立中学ありません。)得意の算数SS41、社会41。そして理科36、国語34。志望校、合格など、夢のまた夢。

(実に、この子が逆転満塁ホームランを打つことになるんです。)

公文に行っていたので、算数には相当自信を持っていました。でも、算数、SS41、素点36点でした。計算ミスが多い上に応用問題ほとんど解けず。プライドはずたずたになりました。その日、がっくりして家に帰ったそうです。ご両親には「夢と現実のギャップを認識出来、やる気になってくれれば」とおっしゃっていただきました。

彼には明確に行きたい中学がありました。その中学にはSSで15、素点で70点足りないことがはっきりしたのです。受験まであと10か月。

僕たちは、直ちに、学習計画を立てました。

「得意な算数は計算を速くではなく、確実にする訓練と、確実に点の取れる基礎応用に力を入れること。 国語は漢字や言葉の決まりを重視。理科は点数の割に得意そうだったんで、そのままテキストを、苦手意識の強い社会は地理の復習と歴史の基礎用語の暗記を。」

 

そして、半年が経ちました。

8月のテスト(夏講後)の結果は、

総合でSS46、素点で202点。SS10上昇。素点で45点上昇。

算数がSS57、素点で36点上昇。基礎応用がぐんとよくなりました。社会はSS51、素点で19点上昇。地理で多く得点出来ました。国語はSS3だけの上昇でしたが、言葉の決まりが大幅に良くなっていました。理科はSSこそ下げたものの素点は2月と同じでした。理科は得意不得意の分野がはっきり出ていたのが気になりました。

これでも、志望校まで、まだ大分足りません。それでも、志望校最低ラインまで、SSであと5、素点であと25点にせまりました。

(秋になってAは模擬試験を受けます。算数・理科・社会は良かったのですが、国語はボロボロの28点。確かに、国語は30点台が常。でも28点は悪すぎます。)

 

さらに対策。

「算数は少し易しい別途問題集で、総復習に力を入れました。国語は比較的文章の短い入試対策問題集で読解力を基礎からやり直し。1か月で国語の問題集1冊のノルマ。

社会は歴史・公民に重点を置き、基礎用語の暗記と理解。難易度をワンランク落としての別途問題集。理科は弱点単元の強化の新問題集。」

9月から日曜講習も受講。週6時間+補講。相変わらずお母さんからうちでは勉強しないのメール。

でも、彼は、宿題もやってきたし、塾での態度もとても良かったのです。(うち弁慶タイプ)

 

ここからは戦いでした。気持ちはあっても拍車のかからないA。ある日、勉強不足を厳しく指摘。Aは押し黙っていました。その時、Aの空回りだけれども、小さな努力を発見。そのことを言うと、目から大粒の涙。苦しい中でもがき苦しんでいたのはAだったのです。僕はこの時、Aの合格を確信しました。この頃になると先生の毒舌もピーク。口では、「こんな勉強しない子は見たことがない。」などと言っていたものの、成績が上がってきていること、そしてなにより、大人になって来ているAを実感しました。

そして、Aはなんと志望校に合格しました。実は、合格最低点より、20点以上よかったのです。

恐らく、SSが15ではなく、驚異の20伸びに成功したのです。公文は辞めていました。

Aは現在、当塾に通ってます。ここ2か月、すっかり身についた勉強習慣できっちりやり遂げてます。すでに夏休み前までの算数と英語は終わっています。英単語も200までマスターしました。

中学に行って期待できる一人です。