小咄とクイズと記憶力の関係 | 鹿吉の徒然なるままに by Shicayoshi Cake Lab.

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ひとつひとつを丁寧に、食べてくださる方を想って焼き上げる、を信念に掲げた焼き菓子屋の徒然なる日々を綴っております。

咄嗟の判断と切り返しにいたく感心しきりの鹿吉です。

こんばんは!

 

先日、落語のはじめにされる小咄にいたく感心してしまいました。

地元での寄席に凱旋気分で帰省した噺家さんがあまりの緊張に話し慣れたはずの小咄から失敗してしまった、という話だったのですが、失敗を咄嗟の判断で逆転ホームランにした胆力に笑うより先に驚いてしまいました。

 

普通だったら頭真っ白の状況で笑いに転じるのはなかなか難しいだろうと思うのですが、彼はそれをやりきったのでございます。

 

本当によくある小咄で

 

「隣の家に囲いができたってね〜」


「へ〜(塀)」

 

という掛け合いで、囲いと塀を掛けているだけの話なのですが、凱旋帰国となったその噺家さんは気合が入りすぎてしまい、

「隣の家に塀ができたってね〜」

 

とオチが先に口をついて出てきてしまったそうにございます。

寄席にいらしていたお客様は通な方も何人かおられたようで、さすがに「塀」と言葉にしてしまったことに戸惑いを隠せず、頭上に?マークをたくさん飛ばしているのが高座からも感じ取れたようで、噺家さんは一気に体中から汗が噴き出るほどの焦燥感を覚えたそうです。

 

この状況の中、噺家さんは咄嗟に挽回せんと打開解答を口にするのでございます。

ギャルのように可愛らしく握った両の拳を胸の前で小さく振りながら甲高い声で言いました。


「カッコいい〜(囲い)!」

 

うまいッ!!!!!

 

若い噺家さんならではの返しだったと思います。

 

さて本日はクイズだって冷静さと記憶力がものをいうんだ、という話をひとつ。

 

母の溺愛する従妹のえっちゃんは可愛いだけではなく、とても賢い子供でもありました。

 

ですから前日に観たテレビの内容で教えたいものがあったり、学校で聞いてきた話があったりすると必ずえっちゃんは私たちに披露してくれるような楽しい子でした。

 

普通の子ならただ覚えておいたことを話すだけなのですが、えっちゃんは一味違います。

彼女はそれを必ずクイズ形式にして楽しませてくれるのでございます。

 

ちなみにえっちゃんの繰り出す小学生あるある的なクイズはいつも三択形式にございました。

 

「あのねぇ、ミキちゃんが習いたいお稽古があるんだって~、それはなんでしょう!」

 

唐突に始まるえっちゃんの三択クイズの中身はいつでもこのようなもので、お友達から聞いた話を面白可笑しく教えてくれるのです。

 

「いち~、ピアノ!」

 

意気揚々と選択肢を示したえっちゃんの表情はドヤ顔としかいいようのない様子で、私も母もこの時点ですでに答えがわかるのですが、ジッと黙って次の選択肢を待ちます。

 

「に~、えっとねぇ、バレエ!」

 

えっちゃんの目が左上を僅かに向きます。

その意味に気付いてもやはり母も私も無言でさらなる選択肢を待ちます。

 

「さ~ん、えっと、えっと、あのねぇ………」

 

えっちゃんの視線が左上から彷徨うようにあちらこちらに泳ぎ、暫くしてある一点で留まります。そして口角がにんまりと上がるのでございます。

えっちゃんの視線を辿ってみれば、そこには私のお習字セットがありまして…

 

「お習字!!!」

 

そして小さな鼻の穴を広げて、えっちゃんはついっと顎をあげて宣言するのです。

 

「どれでしょう~!」

 

母は優しいので迷ったフリをしますが、私は容赦なく正解の選択肢を即答します。

 

「1」

 

するとあまりにも衝撃を受けたかのように、瞠目してえっちゃんは叫ぶのでございます。

 

「なんでわかるの~???!!!!」

 

ね、可愛いでしょ、うちのえっちゃん!

 

えっちゃんの三択クイズは選択肢が三択あっても確実に一択クイズなのです。

まず記憶にあるうちに答えを言ってしまわないといけないという心理が働くのか、1の選択肢に正解を持ってきてしまうのでございます(笑)

 

そして2は自分にとって身近なものだったり、咄嗟に思いついた単語だったりして、3は思いつかなかったときに目に付いたものを選択肢として口にするのです。

 

だからはじめの選択肢が登場した時点でそれ以外に正解はないのですが、一応はすべての選択肢が揃うまでは待ちます。待ちますが、あまりにも面倒な時は1の選択肢が出た時点で「1」と答えたりもしておりました。

 

そのときも大仰なくらいに驚いてくれるので、それはそれで非常に可愛らしくて身悶えました。

 

この三択クイズはえっちゃんがかなり大きくなっても披露してくれましたが、さすがにこれほどはわかりやすく選択肢を出すことはありませんでした。

 

けれどえっちゃんの口振りと視線でいつでも正解を引き当てていた私は今日も元気に焼いております。

ミニタルトを試作してみました。

スイートポテトタルトとキャラメルナッツタルトでございます。

これにチーズケーキタルトを足して3種類をセットにしての販売を考えております。

ちなみに余ったキャラメルナッツは薄く広げて焼きまして、本日の私のお茶のおともにいたしました。香ばしいキャラメルの香りとカリパリの食感が美味しい焼菓子となりました。

 

あまりにも繊細なので、すぐに割れてしまうのですが、本当に美味しいので、こちらもいつか商品にできたら、と考えてはおります。

 

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いつもありがとうございます!!!

 

ちなみにえっちゃんの子供たちも実はよく三択クイズを披露してくださいます。

母曰く、止めなければ五択くらい選択肢が出てくるそうなのですが、私はいつも3択以上の選択肢を聞かずに答えてしまうので、五択まで出されたことはありません。

 

待たない私に母はいつも眉根を寄せて「それじゃあ、子供が育たないのよ、待ってあげないと」と苦言を呈してくるのですが、大人げないと思いつつも待てないのでお許しください(笑)

 

そしてさすがはえっちゃんの子供でございまして、どのクイズであっても正解は「1」なのです(笑)

 

血は争えない、と思う私にえっちゃんの子供は驚きに声を裏返しつつ

 

「なんでわかるの???!!!」

 

とこれまたえっちゃんと同じセリフを吐くのですが、それには私も母もにっこりと笑って教えてあげるのでございます。

 

「あなたのママも昔から三択クイズの答えは必ず1だったのよ」

 

子供たちはお腹を抱えて大爆笑しておりました(笑)

なんとも暢気でほのぼのとした、素晴らしいほっこりタイムにございます。

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

明日もいらしてください~♪

心よりお待ちしております!!!