そりゃワイルドすぎますよ… | 鹿吉の徒然なるままに by Shicayoshi Cake Lab.

鹿吉の徒然なるままに by Shicayoshi Cake Lab.

ひとつひとつを丁寧に、食べてくださる方を想って焼き上げる、を信念に掲げた焼き菓子屋の徒然なる日々を綴っております。

古い手書きの自作レシピを漁っていて、書き殴りすぎて解読に時間のかかっている鹿吉です。

こんばんは!

 

自分の字なのに情けない…

もう少し丁寧に書いておいて欲しい、と過去の私に訴えたいです。

 

さて先日父は人外並みの治癒力をお持ちだという話を書きましたが、本日も父ネタです。

父はネタの宝庫ですから。

世間様が嫌がるおシモネタさえ解禁できれば、抱腹絶倒間違いなし!のものがそれこそ山盛りあるのですが、本人は快諾してくれておりますが、家族からの抵抗がありますので、残念がらお蔵入りです(笑)

 

ということで、本日も健全?なる父の小話をひとつ。

 

その日、私が家に帰るなり、母が慌てた様子で駆け寄ってきました。

曰く、階段から落ちかけた父がケガをしたのに病院に行こうとしない、ということでした。

その日は日曜で、総合病院をはじめとする病院は軒並みお休みでした。

 

まだ父の姿を見てなかったので、状況を確認するために父のもとへ向かいました。

 

父は片腕を上げて、ベッドに横になっていました。

暢気にテレビを見ていましたが、上げているほうの手の小指があり得ないほど腫れていました。

どっちが親指かわからないくらいの太さになっているんです。

 

「それはよくないから病院に行こう?連れて行くから」

 

相変わらずの病院嫌いの父は嫌そうに顔を顰めて言いました。

 

「大丈夫だよ、階段から落ちそうになって慌てて手すりを掴もうとして突いただけだから、突き指だよ」

 

「いや、それ、絶対、折れてるから」

 

「大丈夫、引っ張れば治る」

 

「…いや、余計酷くなるやつだから、とにかく病院に行こう?」

 

渋る父を何とか説得して、私は近くの総合病院の救急に駆け込みました。

駆け込む前に電話をしておいたので、診察室前まではわりとスムーズに辿り着いたのですが、そこからは数多くの診察待ちする患者さんがいましたので、2時間ほど待合室で待機することになりました。

前夜に遊び惚けてほぼ徹夜だった父は待つ時間に飽きたのか、イビキをかいて爆睡しはじめました。

待つのは覚悟の上だったので、私は持ち込んだ本を読み漁っていましたが、一冊が読み終わるかという頃になって父の名前がやっと呼ばれました。

 

けれど完全に夢の中の父は起きる気配もなく、揺さぶってなんとか起こしました。

 

「お、呼ばれたのか?」

 

なんてのんびりと呟いてから、診察室にひとり、父は向かいました。

私の付き添いは要らない、と言われたので、私はそのまま待合室で2冊目の本に眼を落としました。

 

暫くして診察室から蒼白な顔をした父が出てきました。

そしてかなり落ち込んだ様子でぽつりと漏らしました。

 

「折れてるって…今日の当直の先生は内科で、整復完璧じゃないから火曜の昼に手術するんだって…」

 

ガチガチに固定された小指を私に見せて、ため息を一つ吐く父に、やっぱり病院に連れてきてよかったと心からホッとしました。

 

翌々日手術後、ドヤ顔で戻ってきた父は包帯ぐるぐるの小指を眺めながら言いました。

 

「もう骨がくっついちゃってるんだって」

 

え?

2日前に折ったばかりで?

 

「金属の棒を入れたけど、真っ直ぐにはならないくらいくっついちゃったんだって」

 

なんでもないことのように涼しい顔で言う父に私は開いた口が塞がらない状態でした。

完治後、金属を除去する手術を受けないことにしたので、父の指は添えられた金属が入ったまま、確かにわずかに曲がっていました。

 

手術を担当した整形の先生もかなり驚いていたそうです。

これほど早く付くのは非常識だ、と。

私もそう思います。

普通は付くまでに最低でも1週間は要すると思うんですけどね…

 

さすがは超人父です。

 

ちなみに後日談ですが、寝不足のために待合室で爆睡していたくせに

 

「いやぁ、痛みで気を失っちゃってたんだよね」

 

となぜか意味不明な曲解をして、父は事実を捻じ曲げています。

 

違うからね、確実にでっかいイビキをかいて、周囲の人から白い眼で見られるのを私が必死に耐えていたくらい、爆睡してたからね!

そこはちょっと反省してほしいんですけど!

 

それから骨折した指を引っ張れば治るっていうワイルドな治療方法は今後絶対にしないでくださいね!

 

無謀な父を持って心配が絶えなかった過去がこんなところでネタになるなんてラッキーとほくそ笑んでいる私は今日も元気に鹿吉人気のサブレを焼いています!

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