ポスター見つけて、行かねば!!!となった展覧会。3月1日から始まり、6月1日まで。
硲伊之助。はざまいのすけ。
知る人は少ないと思う。
ほぼ四半世紀前くらい、小松空港から帰省したとき、まだ結婚前の妹が車で迎えにきてくれて。
ドライブついでに連れて行ってくれたのが、硲伊之助のアトリエだった場所の美術館でした。
マティスに師事した画家の美術館がこんなところに!豊かな色彩が記憶に残っていました。
すっかり忘れていたけど、ポスター見て思い出して、これは絶対に行こうと思っていたのでした。
コロナ禍に開館したアーティゾン美術館、もとはブリヂストン美術館が移転してリニューアル。
初めて訪れました。前は何度か通ったけど…この建物の6階までが美術館のようです。
実は展覧会はもうひとつ、20世紀半ばのアルプ夫妻の展覧会も。
あまり興味なかったけれど、奥さんのゾフィ・トイパーの作品は、手工芸作品がステキ。ビーズ刺繍。
クロスステッチのクッション。
こちらはご主人。
今見ても通用しそうな造形。
初めての展示室、広々としていて作品に合っていたように思います。
なかなかのボリュームでした。
フロアを移動しようと通路に出たら…本物ののエジプトの彫像。
吹き抜けが圧巻。2階の受付ロビーまで4階分くらい見下ろせます。すごい!
そして、ようやく硲伊之助さん。
マティスが南フランスで窓から見た風景を多く描いたような、硲伊之助作品。
ほぼ全作品写真撮影できたけど、目に留まるのはマティスのような作品。
これも。のちに結婚した奥様の姿。
アネモネ。好きな花だし、やはりどこか、マティスっぽい。
展示室のつくりが面白くて、また吹き抜けの空間挟んだ向こう側の展示室が見えます。
挿絵、装丁なども。独特な手書きの文字も。
ポスターになった作品。のちに弟子になる女性、美しい。
静物画も、絨毯の模様が入っていたり。
背景の大胆な柄。
腕組みの女性。やっぱり好きだな、硲伊之助。
彼の住んだ部屋らしい。なかなかよい暮らしぶり?
石川県の小松のアトリエ跡美術館をたずねて、石川出身だと思っていたけど,実は東京の裕福な家の生まれ。
暁星高校で16歳からフランス語教育受けて慶應大へ(中退したけど)、そして絵の道にすすむ。。
父親が亡くなり家業を継いだ兄弟の援助で、20代前半で渡欧してマティスに師事することになります。
フランス語も堪能で、帰国してからは絵を描くだけでなく、展覧会の企画などもしていたらしい。
日本人がフランス絵画を手に入れるための通訳のようなこともしていたらしいです。
田舎出身の貧乏な画家ではなく、お坊ちゃんだったことを、初めて知ったのでした。。
で、日本初のマティス展の企画をしたひとだった!
硲伊之助が持っていたポスターには、マティス自身の手書きの文字。
ブリヂストン美術館所蔵作品も、硲伊之助の働きでコレクションになっているといいます。
これも、同館のコレクション、マティス作品。
同じく。
ゴッホの手紙の翻訳までしていた!
展覧会のカタログやポスターのデザインも。
ピカソ展企画
ジョルジュ・ブラック展も、彼の企画でした。
そして、晩年に興味を持ったのが九谷焼。だから、小松にアトリエがあったのね。
色の使い方が、マティスに似ている?
大皿のデザインは現代的で。
裏には、なぜかカンガルー。
まったく知らなかった硲伊之助の才能に驚き、そしてより一層好きになりました。
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アーティゾン美術館の模型。
ここから先は、コレクション展。まだまだある!
ブリヂストンで何度も見た,モネの睡蓮の絵にも久しぶりに会えました。
最近のコレクションも。源氏物語の一場面。
やはりブリヂストンで見た記憶のある作品ほか、広々としたコレクションルームだけでも見応えありでした。
こちらの部屋は、草間彌生も。現代作品の展示エリアも圧巻。
前の美術館は本当に小さかったから…
それを知る身としては、コレクションのためにようやく理想のハコをあつらえたんだなぁ、という印象。
ロビーには、コレクション作品を知るしかけ。まさかのチームラボプレゼンツ!
気になる作品をタッチすると、タイトルや画家名が表示されます。
図書資料室も充実していて、一日中過ごせそうな大きな美術館に生まれ変わっていました。
最後に、カフェへ。ビルの1階なので美術館に行かなくても入れます。広い!
カウンター席も広々。
ミルフィーユと和紅茶セット。
アーティゾンに圧倒されました。
硲伊之助目当てだったので、15時に入館したのですが、18時の閉館では時間がギリギリでした。
カフェも同じ営業時間だったので、ラストオーダー時間だった…入れてよかった。