ヴァロットン黒と白展へ、三菱一号館美術館へ行ってきました。

 

 

2022年10月29日から開催中、来年1月29日まで開催されています。

 

 

 
でかけたのは、閉館後の暗くなってからの時間。
アートブロガー青い日記帳さんとのコラボ企画、ブロガー特別内覧会でした。

 

 
入館前、外壁のポスターとガス灯を。

 

 
周辺は近代的な建物が多い中、三菱一号館ビルのレンガ壁、相変わらずかっこいい。

 

 
閉館後の貸し切りのぜいたく。途中トークショーもある有意義な時間でした。
 
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ヴァロットンは、私はここ、三菱一号館美術館で知りました。
所蔵作品を多く持っているため、企画展の中で関連作品としてみたのが初めてかな。
 
三菱一号館美術館は、来年度大掛かりなリニューアルを予定していて、
その前にヴァロットン作品一堂に公開という機会。
 
ギャラリートークの中で、木版画は劣化するためあまり長時間の展示に適さないらしいとの情報。
しばらく展示の機会がなくなるためか、今回180点一挙初公開!
 
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1865年スイス・ローザンヌ生まれてのヴァロットン。
19世紀末のパリで画業を始め、黒一色の木版画で頭角を現しました。
 
※会場内の写真は、主催者の特別な許可を得て撮影しています。

 

初めて見たような気がする、初期の作品。出身地スイスの山を描いています。

モンブラン、マッターホルン、エギュイーユドゥミニ。私も行ったことのある山ばかり!

 

 
木版画で頭角を現したヴァロットン、特徴をとらえた人物作品も多数。

ベルリオーズ(作曲家)

 

 
カエサル、ソクラテス、イエス、ネロ・・・どういう繋がりがあるんだか・・・

 

 
初期作品が続いたあと、一番大きな部屋は、ヴァロットンの真骨頂。
当時の街の様子を描いた作品が集まる部屋は、展示も気合入ってます。

 

 
今回、インスタレーション作品も多くて、本当に気合が入ってるのを感じました。
都会暮らしの風景を切り取った作品なのですが、少し(というかかなり?)視点が面白い。

 

 
レストランで急に始まった取っ組み合いのけんか?

 

 
流血した人が警察に連行されていく姿とか・・・

 

 
馬車にひかれる瞬間とか・・・。

 

 
たくさんの子どもが囲むのは、警察に引っ張られている浮浪者。視点がものすごくシニカル。

 

 
さらにさらに・・・処刑寸前の罪人

 

 
棺が埋葬されるまさにその瞬間。

 

 
ヴァロットンのどこか変わった視点が強調されてます。

 

 
壁の右上に、デモ隊が警察に追われて散り散りに走っていく作品の一部、
そこに、ブロガーナイトで集まった人たち・・・というのがちょっと面白くて。

 

 
以前見た作品は、展示室4に。

 

 
三菱一号館らしく、暖炉の上に作品展示。

 

 
一組の男女。道ならぬ恋の2人らしく、右側2/3以上の黒い画面描写がいろいろ想像させます。
 
image
 
モノクロなのに色彩も感じるし、なまめかしい気配もあって好きなシリーズ。

 

 
今回、解説を聞いて面白かったのがこの作品。
1枚前の複数の写真のいろんな場面のコラージュ作品のようだけど、実は違う。
 
ヴァロットンはこの木版画の作品を限定30部程度、少数しか作っておらず、
30枚刷った後は、版木をばらして、こうして「ばらした証明」を作ったのだそうです。

 

 
こちらは、楽器シリーズ。いろんなシチュエーションを想像させる、画面の中のモチーフ。
結婚した女性が裕福だったため、人生後半上流階級に身を置いたらしい。
 
市井の人々から、豪華な室内の優雅な暮らしぶりを描いた作品に作風が変わってる・・・・
そして市井の人々はどこかユーモラスだったけど、後半はなんかドロドロした雰囲気。
 
ヴァロットンの心情を物語っているのかな?と思ったり。

 

 
こちらは、私も好きな蔵書票。
金持ちが自分の蔵書を示すために作らせたもの、小さなアート、コレクションしたい。。。
 
 
三菱一号館美術館は、フランスのロートレック美術館と姉妹館なのだそうです。
ロートレックはヴァロットンとほぼ同い年ということで、特別協力の出展。

 

 

ぜひ、実物を見にいってほしいと思います。

 

 
さてさて、だいぶみたぞーーーと思ったけど、今回は本当に作品数が多い。
本当にリニューアル前の総見せ、という雰囲気。時間に余裕がほしいです。

 

 
ちょっとした風景画なのに、やっぱりヴァロットン、白鳥に追いかけられて水着破られてる・・・

 

 
こちら、いろんな意味でよく語られる1900年のパリ万博の様子なのですが・・・
突然の雨で、人が慌てふためいている姿です。笑える・・・

 

 
こちらも万博会場で花火が上がった際の様子。切り取り方が本当にユニーク。

 

 

最後の展示室は、第一次世界大戦のころの作品。がれきと困窮する市民。

いまの世界とあまり変わらない姿・・・胸が痛くなる作品です。

 

 

展示室の入り口パネルも、とてもすてき。

 

 

絵の世界と展示室が一体化してるようでした。

 

 

そして!今回面白かったのが、あちこちで見かける映像。

ヴァロットンの作品に登場する動物などが動く作品となって見られます。

 

 

暖炉の上には・・・

 

 

こちらには・・・映像作品は数種類あって、展示室のあちこちで楽しめます。

ぜひ、時間に余裕をもってお出かけください。

 

 

1階までおりてきたところ。ウィンドウにはトナカイと木のシルエット。

 

 

リニューアル間近というので、建物の内側もじっくり眺めちゃった。



 この雰囲気はリニューアル後も変わらないはず。


 
美術館に到着するのが遅かったので、実はショップには立ち寄れず・・・
本当にたくさんのコラボ商品が今回あるようで・・・
 
美術館に入らなくてもショップだけ行くことが可能だということで、
近くまで行くなら絶対行かねばと思っています。