日比谷公園内にある、千代田区立の日比谷図書文化館での展覧会へ。
肉筆画も描く画家ではありますが、大衆向けの印刷物に作品を多く残す画家です。
泉鏡花「日本橋」の現物。これが最装幀作品となりました。
見にくいけれの河岸に並ぶ白壁の蔵の景色に蝶が舞う。
泉鏡花が世を去り「鏡花全集」が刊行された際、その冊子に蝶が散りばめられていました。
彼の、鏡花に対する感謝の気持ちが感じられる作品。
当時の装丁は本当に芸術品です。
箱から出して表紙、そして表紙をめくった場所に美しい彩色。
肉筆画とは違い、大衆に対する「印刷」を前提としての作品を中心に展示です。
特に面白かった新聞の連載小説の挿絵。コレクションされていた方がいたのですね。
今も新聞に連載がありますが、あの小さな空間に描かれた世界、見入ってしまいます。
学芸員さんが力を入れて作ったと思われる展示品目録。
解説も丁寧で、非常に役立ちました。
小さな空間なので30分くらいか・・・と思っていたら、1時間半はかかりました。
日本橋の三井記念美術館では、肉筆画と、影響を受けた周辺画家の作品展。
同時開催なので、ふたつハシゴもありです。
わたしの好みとしては、版画中心の千代田区立図書館の展示で大満足でした。
久しぶりの日比谷公園、まだ冬枯れの景色でした。