今年は、民藝づいている・・・
年明けの京都で、河井寛次郎記念館を訪ね、久しぶりに民藝に触れ、
1月下旬、盛岡出張の合間に訪ねた光原社もまた、民藝に深くかかわるお店でした。
そんなこともあって、歩いて行ける駒場の日本民藝館に久しぶりに行こうかなと思ったら、
ちょうど、棟方志功展。古民家好きな友達誘って、早速行ってまいりました。
棟方志功と柳宗悦@日本民藝館(駒場東大前) 2018/1/11-3/25
http://www.mingeikan.or.jp/events/special/201801.html
最寄駅は、京王井の頭線の駒場東大前駅。西口が近いのを帰りに知る・・・が、東大口で待ち合わせ。
友だちを待つ間、駅前のプランターに目をやると、
パンジーやアリッサムに混じってチューリップが目を出し始めているところ。
吉祥寺方面から来た、この水色の電車に友達は乗ってきました。
日本民藝館は、この線路沿いの道を吉祥寺方面へ5分ほど行った住宅街にあります。
とある事情から、東大キャンパス内を抜けて歩いて行きました。梅がちらほら咲いていました。
日本民藝館、本館です。立派な構えです。
「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠として、
思想家の柳宗悦らにより企画され、多くの賛同者の援助を得て、1936年に竣工された建物は国の有形文化財です。
中は写真が撮れないので、外側の写真だけ。
青みがかった石(大谷石(だと思う・・・))に白い塗装を施したうろこ壁。
ここにも、ちょうど見ごろの梅の花。
玄関前の大きな水瓶に映る、梅の樹形。
収集品のひとつ?人の手で彫りだされた温かみのある石碑も玄関前に。
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ここを訪ねたのは、20年ぶりくらいな気がする。。
お茶を始めた頃に知った民藝の世界、この場所は聖地だったから、早々に訪れました。
それ以降、なぜか(近いのに)足を運ぶ機会がなく、久しぶりの再訪。
整備されたのか、以前の印象よりずっときれいになっている気がしました。
企画展示は、柳を絶対的な師匠と仰いだ版画家・棟方志功と、その才能を認め愛した柳、の2人がテーマ。
棟方志功の天真爛漫で自由な作品にも、実は柳の影響が大きいということ、改めて感じさせられます。
大胆な木彫り、色彩でも知られる棟方志功作品が、民藝館の建物にマッチしています。
友だちは、「いただくならどの作品にする?」と楽しそうに見ていました。その日の気分で選ぶものも変わりそうねえ。
目黒区駒場の柳宛てのハガキ、杉並区荻窪に住んでいた棟方志功宛ての書簡などもあり、
いまいるこの場所で、その昔、芸術家と思想家の交流があったのだなあ・・・と、親しみを感じます。
100年近く前に、名もない職人の手による日常の道具に価値を見出した、柳宗悦の民藝運動、
いまさらながら彼の先進的な美意識に感心するし、その恩恵にいまあずかれること、感謝です。
企画展示とは別に、部屋ごとの展示もあって楽しめました。 →併設展
ともだちと館内を巡るのに、1時間半ほど。けっこうなボリュームがあります。
そして、今回、初めて入ったのが、西館。柳宗悦本人が暮らした家が、通りの反対側にあります。
開館しているのは、月初の水曜日と土曜日。行かれる方はスケジュールをチェックしてお出かけください。
設計は柳自身。栃木県から移築した石屋根の長屋門に母屋を併せて、72歳で亡くなるまで暮らした家。
洋風の板の間+畳敷きの居間、声楽家である妻のレッスン室などもあり、文化的に豊かな暮らしぶりが見られます。
西館は、お宅拝見な様相で、友だちは「水回りはこっちですか?」など、非公開エリアのことも聞いてました。
公開するような状態でないから閉めきっているとのことでしたが、お宅拝見、充分楽しめました。
本館には、民藝にかかわる書籍や、実際のモノを買う売店もあり、そこもまた楽しい。
来月からは、染織家 柚木沙弥郎展もあるので、また、足を運ぼうと思ってます。