写真家ソール・ライター展@Bunkamuraザ・ミュージアム 2017/4/29-6/25(※終了しました)

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter/

 

 

会期後半になり、やっぱり見に行こう・・・と、でかけてきました。

 

 

 

毎朝、通勤のために使う半蔵門線渋谷駅ホームにポスターが掲示されていて、

電車が来る前、毎日のように眺めていました。

 

1950年代のNYで活躍した、おしゃれ雑誌の写真家。

・・・だと思っていたのですが、いや実際そうなのですが、ちょっと違ってた。

 

画家を目指してNYにやってきて、それでは食えなくて写真を仕事にしていたらしい。

抜擢された仕事で頭角を現しあっというまに人気写真家になって。。

 

80年には写真の仕事をやめてしまい長く忘れられていたのだけれど、

20年後、当時の膨大なカラーフィルムを現像したら、その色彩に圧倒されて再び注目された。

 

カラーフィルムは50年代のNYでは貴重品。高価だし現像もできなかったんでしょう。

期限切れのフィルムを手に入れて撮影し、褪色をあえて楽しんだりもしていたらしい。

 

画家としては、ボナールやビュイヤールなどのナビ派に傾倒していたらしいけれど、

モノクロ写真の上に絵筆で彩色した作品もあって、才能を見せつけられました。

 

 

絵葉書を4枚買いました。左下のは犬がいるのを車の窓越しに見ている写真。

 

彼の生き方をあらわす言葉が展示室に書かれていたのだけど、

人とナリが分かるそれらのことば、いくつか書き留めた。

 

雨粒に包まれた窓の方が

わたしにとっては有名人の写真より面白い

 

神秘的なことはなじみ深い場所でよく起こると思っている

何も、世界の裏側まで行く必要はない

 

写真を見る人への写真家からの贈り物は

日常で見逃されている美を時々掲示することだ

 

幸せの秘訣は、何も起こらないことだ

 

写真の多くはNYの彼の暮らしたあたりで撮られているのだけれど、

高い場所から俯瞰したり、雨や霧や蒸気など移ろうものに彩られて美しい。

 

わたしも、毎朝の散歩で思わず写真を撮るのは、水たまりに移る季節の風景だったり、

雨で路線バスに乗ると雨粒に反射する街の灯りがきれいだなあと見入ったり・・・。

 

そういうのが、ちゃんと切り取られると、こんな素敵な写真になるんだなあ・・・

などと思いながら、作品を堪能しました。

 

展覧会場を出たら、雨が降り始めていました。

 

 

あ・・・まさしくソール・ライターの好む雨の世界って思って・・・

すっかり気分はソール・ライター。家に帰るまでスマホ・カメラマン(笑)

 

 

俯瞰の構図もあったなーと、ドゥマゴのカフェ。

 

 

雨があたるところにできた水たまり

 

 

傘の写真も多かった。アシスタントが「もう傘はたくさんだ!」と言ったとか。。

 

 

展覧会のポスターと、ガラスに反射する周囲の街路樹と。

 

 

雪のNYを室内から撮った作品に、さらに現代の私の姿が反射。

 

 

雨の通り(その1)

 

 

雨の通り(その2)

 

 

雨の通り(その3)

 

 

雨粒のついているショーウィンドウ

 

 

オマケ

 

 

わたしが、1991年にNYを旅したときに撮った写真。

考える人のミニチュアが面白くて撮った写真にイエローキャブが映り込んでる。

 

これをみると、NYの景色が蘇る気がして、今でも部屋に飾っている写真。

この写真以降意識して、反射する映り込み景色や影の写真を撮るようになりました。

 

 

オマケその2

 

 

同時期にBunkamuraギャラリーで開催していた、舟越桂新作展もよかった。

梅雨の季節にぴったりな展示(ソール・ライターも)だったな。

 

雨でも気持が滅入らず、雨を楽しめた午後でした。