先々週末のお茶の行事のまとめを今頃。自分用のメモだと思っても時間がかかりました。

準備や後片付けで週末を3日ほど費やし、今に至るまで後遺症の腰痛に悩まされてます・・・(苦笑)


でも、そういう思いをしてもなお、楽しい行事でした。次回はお客様役になりたいけど(笑)


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社中で年に数回行われるお稽古茶事。今回、数年ぶりの夜噺(よばなし)茶事でした。


「正午茶事」というのが基本なのですが、季節による特徴のある茶事もあります。

夏の朝涼しいうちに行う「朝茶事」、そして冬の日の落ちるのが早い時期に暗さを楽しむ「夜噺の茶事」


なんといっても特徴的なのは、寒くて暗い時期にそれを冬らしさとして楽しもうという趣向。

火鉢や、手焙り鉢、そして行灯や手燭(手元を照らす蝋燭台)という道具たちが活躍します。


今回は亭主の補佐役だったので、出迎える側。前の週末から準備です。

渋谷歳時記
渋谷歳時記


ふだんの道具一式に加えて、これらの実際火メラメラを使う道具たちが登場。

これらの扱いも大切なおもてなしのひとつとして、上手くやらなくてはなりません。


以下、基本的な流れを・・・。



寄付 お客様が外からお入りになると、温まっていただくため甘酒をお出しします。


待合 甘酒を召し上がっていただいたあと、お庭の見える外の腰掛に移動していただき、亭主がお迎え。


本席: 

前茶 薄茶をさっと点てて、お客様が一碗を分け合って。


初炭 後刻お茶を点てるため、お釜のお湯がうまく沸くように炭をくべます。


懐石 お茶をおいしくいただいていただくため、お食事を振舞います。(社中の人たちが作ります)


    向     蕪蒸し

    汁    そばがき 

    お椀   牡蠣しんじょ

    焼物   ぶり塩焼き(炭火焼)

    強肴   菊花の和え物、ぶり大根

    八寸   あわびの味噌漬け、むかご

    箸洗   蕎麦の実

    香物   赤蕪、たくあん

    

菓子 食事の最後に手製の粟ぜんざい。


中立 お茶用に席を改めるため、一度お庭の腰掛に移動していただきます。

    本席の用意が整うと、再度お部屋へ。


濃茶 お茶事のクライマックス。客と亭主がお茶を通じてむかいあいます。


薄茶 リラックスして、お話をしながらの和やかな席。


止炭 火勢が弱くなった炭を直しながら、席を名残惜しむように時を過ごします。


送り 茶室(本席)を出たお客様を静かに送ります。


席入りは午後3時半。寄付や待合には一人では持てないほどの大きな火鉢に火をおこし、
暖をとれるように整えておきます。 席中にも「手あぶり」と呼ばれる小さな火鉢を用意。

懐石料理が始まる頃にはすでに日が傾いてきているので、メラメラ和ろうそくに灯りを点しました。

中立のころにには、外は真っ暗。お庭にも行灯を数個配置して足元を照らします。

本席にも和ろうそくメラメラが2本おかれ、手元を照らす手燭を亭主は持ち出してお点前をすすめます。
裏方も電気は一切使わずろうそくの灯りだけが頼りです。

ゆらゆらとゆれる炎メラメラは、それはそれは幻想的で、ふだんのお稽古の部屋も様変わりです。

一筋の灯りは本当に手元しか照らしてくれず、火を使うこともあり神経をつかいました・・・。


和ろうそくメラメラは燃えると芯が残るので、それをたまに火箸でつまむと炎が明るくなります。

でも、そのつまんだ燃えカスも暗がりの中で処理するので、かなり気を使いました。


私自身はお点前をしないので、お茶事の流れそのものより、周辺の、特に「火事情」メラメラにばかり、

アタマと体を動かした一日でした。


お客様を送り出したのは、午後9時近く。お客様が初めてという方が多かったこともあるかしら。

お勝手の人たちにもお茶を振る舞い、やっとほっと息。最後にいただいたお茶、おいしかった・・・。


肝心の本席でのお道具は、今回は亭主役の先輩が趣向を凝らして用意されたもので、

お手伝いをしている私にも馴染みのあるものが登場して、お客様もお喜びだったように思います。


こうした「お稽古」でのお茶事を通じて、本当のおもてなしを学んでいくのだと思います。

終わって反省ばかりですが、それも当然のこと。何回も繰り返してようやく身につくもの・・・。


だからこそ、のお稽古茶事なのでした。



↓当日までに何度も読んだアンチョコテキスト(笑)

実用茶事のお稽古〈11〉夜咄の茶事(上)
亭主側の所作―主客の所作と構成 (淡交テキスト)