セネストパチーの研究 体感異常ってなんだろう? | 渋谷区精神保健福祉オンブズパーソン

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セネステジー   : 体感

セネストパチー  : 体感異常


セネステジー、体感とは正常の状態ではいかなる特殊な性格においても、われわれの注意をひくことはないが、意識の知覚野の下にあってわれわれの人格の基礎を構成しているという。
すなわち体感とはいわゆる五感に属さず、身体の状態を感受する感覚で、
正常な状態ではこれを意識することはない。
五感が一般に自己以外の外界からの刺激に対する感覚で在るに対し、体感は自己身体の内部にその起源があり、また感情や気分と密接な関連があるとされる。
そして具体的に内臓感覚と言われるものと一致する面が多いと思われるが、単なる末梢性の感覚でなく、
間脳や大脳皮質、更には自己としての統一体たる精神機能と関連した統合精神機能と考えて良いものだろうう。
故にこれの異常は相当深い自我機能の障害と結びついている可能性がある。
セネストパチーの患者の異常体感は慢性執拗ではあるが、ほんとうに気を許せ、その生命感情が蘇生するような状況下では、一過性とはいえ軽減あるいは消褪する現象を見る時がある。
そういう点ではセネストパチーと生命感情発揮の疎外状況とは無関係ではあるまい。

『セネストパチーの研究』 吉松 和哉


吉松先生の言葉は仏教の探求に通じるものがあると思います。
“心とからだで感じる精神医学”、実際の医療現場では実現可能でしょうか。



セネストパチーの研究 セネストパチーの研究
吉松 和哉

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