おくすりのお話  薬害オンブズパースン会議から転載 | 渋谷区 精神保健福祉行政オンブズパーソンのブログ
薬害オンブズパースン会議 http://www.yakugai.gr.jp/


抗うつ薬SSRIに関する要望書 (←クリック・元記事全文)
うつ病は、ある特定の神経伝達物質あるいは受容体に起こる障害ではなく、数多くの生理的系統が長期にわたる社会心理的な侵襲を受けた結果、損傷し、機能停止している病態であり、

基本的には心理・社会的環境調整をしっかりすることで自然緩解する疾患である。

しかし、簡易問診票などによる操作的診断の表面だけ取り入れた診断と「SSRIを使っておけばとりあえず間違いない」という安易な治療論がSSRIの使用量を増大させている。一般医によるうつ病診療の拡大による混乱を問題視する専門医も少なくない[11]。

[ 11 ] 宮 岡等 ・ 北 里大学 医 学部精 神 科教授 ,「 うつ 病診療 の 混乱 」 .『 日本 医 事新報 』 2007 ; (No. 4 362 : 12 月 1 日 ): 105.

 


SSRIセミナー報告
セミナーでは、まず、SSRIを飲んで自殺を企図し、あるいは攻撃的になった患者やその家族の衝撃的な証言が数多く紹介された「パノラマ」の一部が放映
SSRIの問題の背景には、大衆向けの巧妙な直接宣伝によって販売量を上げようとしている企業の戦略、医学の堕落等があると指摘

SSRIの問題点、動き
BBCテレビのニュース特集番組「パノラマ」がパロキセチン(パキシル)の害作用問題をとりあげましたが、6万本の電話と1500通のEメールの反響があり、
続編を制作、最近の2004年10月まで20回近くも放映を重ねています。
2004年6月、米国のニューヨーク州当局が、パロキセチンが18歳未満で有効性がなく、 自殺企図の害作用のリスクが明らかになったデータを隠していたとしてgsk社を提訴
FDA(食品医薬品局)は、2003年6月パロキセチンを18歳以下に使用しないよう勧告、2004 年10月には、全抗うつ剤の添付文書に18歳以下での自殺傾向のリスクについて、
最も厳 しい「黒枠警告」を行うよう指示しています。
日本では抗うつ剤の適応が「うつ状態」まで拡大されているのが、「うつは心のかぜ」 との認識などとともに、安易な使用やメディカリゼーションにつながっています。

抗うつ剤パキシル錠の児童・青年を対象とした臨床試験の問題点
小児を対象とした臨床試験では、成人以上にその安全性や倫理性の確保が重要です。海外の臨床試験において有効性が確認されなかったうえに、
自殺に関するリスクが増加する可能性などが示唆されている薬剤について、日本の小児を対象とした臨床試験を実施する必要性と妥当性はあるのでしょうか。

SSRIとファルマゲドン
厚労省は、マスコミからの情報公開請求を受けて、はじめて攻撃性に関連した副作用報告の件数が無視できないレベルになっていることに気付き、
重い腰を上げざるを得なくなったのです。
今回明らかになった42例は、水口事務局長が報道でコメントしているように、おそらく「氷山の一角」であり、
十分な調査が行われれば、SSRIと関連する攻撃性や犯罪の実態が明らかになるのではないでしょうか。

再びSSRI要望書提出
「格差社会」「リストラ」など社会的な要因による「うつ病」の増加と製薬企業が中心となり行政や医師会を巻き込んだ「うつ病」の啓蒙活動や「自殺防止キャンペーン」により
全体として受診者数が増え、その結果「うつ病」と診断される方も多くなったことは間違いないことでしょう。
 しかしその増え方は「異常」です。証明されたわけではない「セロトニン仮説」を基軸とした、製薬企業による「市場の地ならし化」(Advertising Based Medecine)が
大きく成功したと認めざるを得ません。

精神医療ユーザー拡大化と薬との葛藤
精神医療の分野では「家族会」なるものが組織化されていて、最初のターゲットとなった。製薬会社がスポンサーになり有名大学教授を講師にした勉強会を主催したり、
家族会機関紙にそれとない宣伝記事を載せ経済的援助もしながら、新薬への切り替えに直接・間接的な圧力を医師にかけるよう家族会を誘導してきた。

 
陪審は、GSK社がパキシルにより胎児性障害が引き起こされることを知りながら、収益を増加させるため危険性を隠蔽したと初めて認定した。
これは600件ある訴訟の先行訴訟である。
本症例では、GSK社が不注意にも、パキシルの危険性について母親の担当医師に警告することを怠ったとし、パキシルが心臓の欠陥の原因であると結論づけた。
 GSK社のスポークスマンは、
「我々は、Lyam Kilkerさんとご家族にはご同情申し上げますが、母親の妊娠中にパキシルに暴露されたことにより障害が生じたとする科学的証拠はない。」と述べ、
評決には不服であり控訴する意向を示した。Bloomberg press 2009年10月13日号

 
組織的に医学雑誌向けにパキシル販売促進のための学術論文が作成されていたようだ。
企業の内部文書では、医師にアプローチして処方薬が良好な結果を示した経験について論文作成(症例報告)の援助を申しでるようにと、指示している。
“トピックをどのように展開し”、“どのように論文を仕上げて投稿するのか”に至るまで、gsk社があらゆる援助をすることが書かれている。
Philadelphia Inquirer 紙2009年8月20日の記事。
SSRIには非常に注意される有害作用が存在する。欧米で問題となった自殺や自殺行為、攻撃性などの衝動性亢進、離脱(禁断)症候群と依存性の問題、
投与患者の6割以上に発現する性機能障害、常用量範囲での胎児毒性(出生時の体重減少、けいれん発作誘発、離脱症候群誘発など)、
従来型「抗うつ薬」では見られない骨折や骨密度減少、消化管出血「問題」など多岐にわたる有害作用がある。
一般医による軽症うつ病治療の第一選択として、安易にSSRIによる薬物療法が行われる可能性が高い。
特にSSRIの有害作用である衝動性亢進と性機能障害はうつ病に随伴する症状との鑑別が困難であり、添付文書上の記載も不十分なため、有害事象をみすごし、
使用が継続され被害が拡大するおそれがある。

 
メーカーは薬の使用を中止したときに生じる離脱反応の危険性は0.2%であると言いつづけていたが、2003年6月この記述を25%(なんと125倍)に修正して添付文書を書き換えた。

 
薬を売り込むためのさまざまなたくらみが行われている。売れ行きを増やすのに役立つ論文なら、製薬会社が何万部でも買い上げて配ってくれるし、薬の効き目や安全性に問題があるという論文でも書こうものなら、本の販売を妨害したり、自分たちの薬に有利な別の論文をゴーストライターに書かせて対抗する。
もはや科学や学術の世界ではなく、自社の利益を守るためには何でも許されるビジネスの世界である。
データはSSRIによる自殺者がプラセボとかわりなく見えるように改ざんされていた。このようなデータは、SSRIをめぐる自殺や傷害事件の裁判の過程で明るみにでた



   医師   「きみの目はどうして緑色で、髪の毛は茶色に         なったんだろうね? 」

   ブランドン「ぼくのママの目はみどりいろだよ」

    お母さんは、ブランドンの柔らかな髪の毛に指を通しなが   らいいました

   母    「それに、あなたのパパの髪の毛は茶色よね 」

   医師    「双極性障害も同じことなんだよ。きみは遺伝         子でそうなったと考え
          られるんだ。
          ・・・・双極性障害の人を助けるための良         い薬があるんだ。
          とにかくすぐに一つ飲むことから始めよう         じゃないか・・・・。」

   
『Brandon and theBipolar Ber ブランドンと双極性のくまちゃん』

ブランドンくんと双極性のくまちゃん pdf41ページ目


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