【渋谷区】精神障害者居住支援【家族と扶養】 | 渋谷区 精神保健福祉行政オンブズパーソンのブログ
 2013年11月6日



渋谷区長殿



渋谷区では精神障害者が生活福祉課に居住確保・転宅相談に訪れた場合には、支援は行わず、あくまで自分自身で不動産会社をまわり、アパートを探すべきとの指示が行われております。
「自分でやって下さい」「自立して下さい」「家族に相談すればいいじゃないですか」など。

・この場合は、地域生活支援センターとの連携をはかり(現行の地域生活支援事業に限定せず)、PSWなど に協力を求めるべきと考えます。PSWさんや保健師が障害者と一緒に作業して頂ければ良いのではないですか。

・また渋谷区の家賃相場が高い場合、アパートが見つかりにくく、その場合、近隣自治体への移管も視野に入れて下さい。

それらを行わず、放置されてしまった場合、その後の障害当事者、相談者の生活実態は把握されますのでしょうか。

どうなってしまうか想像出来ませんか?
 

 
 


そして、
保守思想の家族観が普遍的であり、それを法律に反映すべきであるというのは間違いです。現行の生活保護法は前近代的であり、改正はさらに悪化させます。そこに基づいた扶養義務・照会をタテにした水際作戦が横行していませんか。家族観やその実態は、個人の数だけあるのですよ。壊れてしまっているものもあります。ですから、社会を構成する基本単位はあくまで個人であるという前提で法律を作らねばなりません。公が担うべき福祉を、「あるべき理想の家族」なるものに放り投げてしまっては、困窮者の実像を無視することであり福祉の後進国化です。

現行法の運用を厳格化したいから、障害者の生活実態を劣悪化させても、
現代に見合わない「私的扶養の原則を優先しましょう」というのは、あるべき福祉、世界の常識からは逸脱しております。

例えば、
「老齢の親が、成人した障害者に扶養義務が生じる」などという法律はおかしいでしょう。このようなことをしているのは日本だけです。先進国ではありえません。法律の運用は、あるべき常識と実態に即して下さい。




東京ではオリンピック・パラリンピックが開催されます。
渋谷区にその資格はありますでしょうか。









『家族と扶養―社会福祉は家族をどうとらえるか』

子ども、夫婦、老親の扶養責任は国家にあるのか、家族にあるのか。社会福祉法と家族法の関係を明らかにし、現代的「扶養論」を構築する。



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