元編集者で某有名漫画家の会社の社長となったMさんは、とても忙しい方で、いろいろな会合や宴席などのお誘いもかなり多いとお見受けします。
私もなかなかお会いする機会はないものの、ご近所にいらしたころはたまに行きつけのお寿司屋さんでご馳走になったりもしました。
Mさんは、お食事(飲み会)などはたいていお支払いをしてくださるのですが、支払い方がスマート。そして、長居をしません。
どんなに盛り上がっても(大人なのでそんなに盛り上がることはないですが)長時間居座ることは絶対にありません。(ハシゴはあり)
また、お付き合いなどで参加するパーティーなどでは、乾杯をしたら、さっさと消えてしまいます。
もう有名どころなので、名刺交換も必要ではないし、新しい出会いも特には不要なのでしょう。
Mさんではありませんが、ずいぶん前になりますが、ある会の二次会で何人かでスナックに行ったときに、支払う段になったらことのほか高かったということがありました。
そのとき「じゃあ僕が●円払うので、あとはみんなで割り勘にしてください」と言って、ひとりひとりの負担が半分以下になるくらいな額を払い、「明日が早いのでお先に」と帰っていった人がいました。
その人は当時は役職などのない官僚で、そのときの支払いは当然ポケットマネー。その方はのちにとても出世されたようです。
金払いよく、さっと帰る。
これは多分、できる人のセオリーち違いありません。
私はつい最後まで居て、後片付けなどを手伝ったりしてしまうことがありますが、内心では「さっさと帰る」ほうが潔いと思っています。
先日、鎌倉のチームが集まって、お酒などを用意する会を催しました。
そのとき、遅れて来て、しかも最後の最後まで帰らず、みんなの顰蹙を買った人がいました。
鎌倉の田舎は終バスも早く、住民の就寝時間も早いため、私もみんなも「早く帰って」と「言って」も帰らず、ついにはバスも終わり、タクシーも「自分で呼ぶ」と言って呼ばないので、みんながほとほと困ってしまいました。
その人はお酒も入って、楽しかったと思います。
でも、周りの人たちにとっては非常に迷惑だったし、「なぜそんな人を連れてきた」と、私の責任問題にもなってしまいました。
その人は悪い人ではないし、楽しんでいたことは間違いないのですが、あとで、直接「終わりの時間を守ってほしい」と伝えました。
それでも、私に対する評価は下がってしまい、信用も薄れてしまったし、なんといっても後味が悪い思いをしています。
そんな迷惑をかけているなんて、その人はちっとも思ってはいないでしょうけれど、「迷惑」というのは「思ってもいない」から迷惑になるわけです。
これはまったくよい反面教師といえます。
金払いよく、潔く、というのは、どちらもできるからかっこいいと思えることですが、いつもいつもMさんのようにはふるまえないにしろ、心がけとしては見習いたいものです。