さて、Twitterで「親が所有している農地で新規就農しようとしたら、補助金が貰えない!!」という書き込みがありました。

 

農業を始めようとする人に、年間150万円の就農準備資金または経営開始資金があり、

これは2年間、毎月12.5万円ずつもらえるありがたい制度です。

 

しかし、このハードルの高いこと!!!

 

就農準備資金の対象者は、以下の「すべて」を満たす必要あり!

 

  1. 就農予定時の年齢が、原則49歳以下であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること
  2. 独立・自営就農または雇用就農を目指すこと
    親元就農を目指す者については、研修終了後5年以内に経営を継承する、農業法人の共同経営者になる又は独立・自営就農すること
  3. 都道府県等が認めた研修機関等で概ね1年以上(1年につき概ね1,200時間以上)研修すること
  4. 常勤の雇用契約を締結していないこと
  5. 生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する国の他の事業と重複受給でないこと
  6. 原則として前年の世帯(親子及び配偶者の範囲)所得が600万円以下であること
  7. 研修中の怪我等に備えて傷害保険に加入すること
経営開始資金の場合は、同じく、以下「すべて」満たすこと。
  1. 独立・自営就農時の年齢が、原則49歳以下の認定新規就農者であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること
  2. 独立・自営就農であること
    自ら作成した青年等就農計画に即して主体的に農業経営を行っている状態を指し、具体的には、以下の要件を満たすものとする
    農地の所有権又は利用権を交付対象者が有している
    主要な機械・施設を交付対象者が所有又は借りている
    生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷取引する

    交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理する
    また、親元に就農する場合であっても、上記の要件を満たせば、親の経営から独立した部門経営を行う場合や、親の経営に従事してから5年以内に継承する場合は、その時点から対象とする
    (親元に就農する場合は、新規参入者と同等の経営リスク(新規作目の導入や経営の多角化等)を負い経営発展に向けた取組を行うと市町村長に認められること)
  3. 青年等就農計画等※が以下の基準に適合していること
    独立・自営就農5年後には農業(自らの生産に係る農産物を使った関連事業 <農家民宿、加工品製造、直接販売、農家レストラン等>も含む)で生計が成り立つ実現可能な計画である
    ※農業経営基盤強化促進法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画に農業次世代人材投資資金申請追加書類を添付したもの
  4. 人・農地プランへの位置づけ等
    市町村が作成する 人・農地プラン (東日本大震災の津波被災市町村が作成する経営再開マスタープランを含む)に中心となる経営体として位置付けられていること(もしくは位置付けられることが確実であること)
    または、農地中間管理機構から農地を借り受けていること
  5. 生活保護等、生活費を支給する国の他の事業と重複受給していないこと
    また雇用就農資金による助成金の交付又は経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ過去にうけていないこと
  6. 原則として前年の世帯(親子及び配偶者の範囲)所得が600万円以下であること

(注1)交付対象の特例

  • 夫婦ともに就農する場合(家族経営協定、経営資源の共有などにより共同経営者であることが明確である場合)は、夫婦合わせて1.5人分を交付する
  • 複数の新規就農者が法人を新設して共同経営を行う場合は、新規就農者それぞれに最大150万円を交付する
 
 
うーん・・・
月12.5万円で暮らしていけるのだろうか?
その割にはいろいろあれこれと条件が多いのではないだろうか???
 
農業というのはデータだけではなくて、経験値が必要な仕事だと思うんですよね、私は。
なので、やる気があって、頭がよくて、勉強がよくできるからといって、すぐに農作物ができたり、農業経営ができたりするわけではないかもしれず。
若い農業者が安心して農業ができるためには、いくらなんでも12.5万円は安いですよねえ。
 
ちなみに、シニアの新規就農に向けた農業研修支援というのがありましたが、
こちら、令和4年度はないようです。
(ここでいうところのシニアとは、50歳から59歳まで)
 
人生百年と言われる時代に、元気なシニア(この場合70代以降のみなさん)もたくさんいらっしゃるなかで、
若者に薄給で働かせようというのは、いささか気の毒です。
シニアだって働ける人はたくさんいますしね。
そもそもダイバーシティやジェンダーなどの観点からいえば、性別や年齢で差別するのはよろしくないはず。
年齢制限を設けるより、健康診断書で判断するなどして、
体力があって働きたいという意思がある人たちができる仕事としての農作業があってもいいと思います。

先日、農協の人と交わした会話。
私「農業女子というにはいささか年をとっていますが、いまさら新規就農者を名乗ってよいのでしょうか」
農協の人「名乗るのは自由です。補助金や助成金がないだけです。あと、年間20万円以上の農業収入があることで農業者としての確定申告ができます。まあ、しないひともいますけれど」
 
さて、40代のみなさん、新規就農にチャレンジするならチャンスはいまですよ!
ハードルはかなり高そうだけれど。