最近は異常気象で、ゲリラ豪雨が多発するなど雨の降り方もひと昔前とは様変わりしているようですが、短時間にザーッと降る大雨を比喩的に「バケツをひっくり返したような雨」と表現するのは今も昔も変わらないようですね。

 

集中豪雨を伝えるテレビのニュースでしばしば耳にします。


聞かされ続けていると条件反射的に何の疑いもなく「ザーッと降る土砂降りの雨」を連想できます。

 


雨は自然現象ですからピンポイントで一杯のバケツの水を1回だけドバーとぶちまけるような降らし方は不可能です。

ある程度の水量をある時間、ある範囲に降らすことになるでしょう。


 

普通の人がバケツに水を満たして物理的にひっくり返すことができるようなバケツの大きさ(容量)はどのくらいでしょう?

持ち上げやすさを考えれば、78 ℓが限度ではないでしょうか。


もちろん、数百杯程度の78 ℓバケツの水をひっくり返したくらいではとても土砂降りの雨にはならないでしょうから、相当大勢の人でバケツをひっくり返す必要があるでしょうね


25mプールの水量が約40ℓだそうですから、18 ℓのバケツをひっくり返すとしたら延べ約5万人。

たった25mプール1杯でも5万人必要となると、100ミリの集中豪雨は想像を絶します。


 

洪水を引き起こすような雨を形容するのに「バケツをひっくり返したような」という比喩はあまりにも現実離れ過ぎています。

TBSのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』を思い出します。