『旧優生保護法』は1948年に制定され、1996年まで施行されていた法律です。
最高裁判所はこの旧優生保護法をめぐる裁判で先頃画期的な判断を示しました。
判決の中で戸倉裁判長は「旧優生保護法は憲法違反である」と明確に断じたのです。
最高裁判所は、唯一『違憲立法審査権』を有する機関です。
今回の最高裁判所の判決を是とするならば、憲法は当時も今も同じですから、今憲法違反ならば当時も憲法違反だったはずです。
つまり、「70年前には合憲だったが、今は違憲である」ということはあり得ませんから、最高裁判所は1948年に制定されてから今日に至るまで70年余りも憲法違反の『旧優生保護法』を違憲状態のまま放置し続けてきたことになるでしょう。
これは、唯一『違憲立法審査権』を有する最高裁判所の著しい怠慢であると思いませんか。
最高裁判所は自らを罰することもなく、原告に謝罪することもないのでしょうか。
旧優生保護法(1948~96年)下での強制不妊手術を執行した行政府、その長である内閣総理大臣の岸田首相は原告に謝罪すると発表しました。
結果的に違憲の『旧優生保護法』を制定した立法府や『違憲立法審査権』の行使を怠ってきた最高裁判所が謝罪しないのはおかしくありませんか。