【189】の『大小の表現』では取り上げませんでしたが、『小売業』とか『小売り店』という言葉がありますね。
今回は『小売り』について考えてみます。
商品は主に、生産者 → 卸売業者 → 小売業者 → 消費者 という流れで流通しています。
卸売業者と小売業者は転売を生業とする業者です。
『小売り』と呼ばれる販売業者はいますが、『中売り』『大売り』と呼ばれる販売業者はいません。
何故でしょう?
そもそも『小売り』の『小』って何でしょう?
『小規模』の『小』でしょうか?
昔はともかく、現代では生産者や卸売業者を凌駕するような世界的規模のマーケットを展開している小売業者もいます。
また、自社ブランドの商品を生産・製造している小売業者もいて、『小売り』の意味が曖昧になっています。
現代ではあまり使われませんが、『バーゲンセール』と同じような意味で、購買意欲を煽る言葉として『大売り出し』という言葉があります。
購買意欲を煽るためですから『大売り出し』はあっても、もちろん『中売り出し』『小売り出し』はありません。また、『大売り業者』などという言葉もありません。
『大・中・小』という言葉が、サイズの大中小を表す概念から離れてしまったようですね。