「漆黒の闇」の意味は、何も見えないような真っ黒闇のことです。


が見えるということはその物』から発する光が私たちの目に届いたということです。


物体から発する光量が少なくなれば、その物体は暗く黒く見え、ゼロになれば、もう光が目に届かないということですから、まったく何も見えないブラックホールと同じです。

 


さて、「漆黒」とは、黒色の漆(うるし)のことです。

 

漆は、ウルシノキから採取したウルシオールを主成分とする天然の樹脂で、採取・ろ過した段階では透明ですが、鉄分を加えると漆の成分と反応して黒色になることが知られています。

 

透明な段階の漆を生漆(きうるし)と呼び、生漆に種々の顔料を添加することで、さまざまな色の色漆を作ることができ、塗料や接着剤として利用されます。

 

黒色の漆は、黒の度合いが強いため、真っ黒や真っ暗のたとえに使われます。

 

 

なお、黒光り』という言葉がありますが、あれは黒く光っているわけではありません。

黒い物体の表面に極薄い膜などができているとき、膜が光を反射してそのように見えるだけです。

 

 

また、『ブラックライト』という言葉もありますが、これは黒い光を発光するという意味ではなくて、人間の目に見えない紫外線そのもの、もしくは紫外線を照射するランプのことです。

 

 

漆に鉄分を加えると黒くなる謎についてついては↓をご覧ください。

https://www.jaea.go.jp/02/press2023/p24030501/