病院や役所などでしばしば起こるトラブルです。


たとえば、口を開け閉めした時に耳の下奥が痛かったら、どの科を受診しますか?

まずは耳鼻咽喉科を受診したとします。

いくつか検査の結果「耳の機能には異常はありません。顎関節の問題のようですから歯科を受診して下さい」ということで、歯科を受診すると「確かに顎関節炎のようですが、整形外科の治療を受けてください」

と患者は次々と別の科や別の病院を紹介されることがあります。

 

救急医療では『病院のたらい回し』が大きな社会問題になることもあります。

 

 

役所でも、「その件はこちらの担当ではないので、○○課へ行って下さい」ということで○○課へ行くと「それは××課の担当ですから、そちらへ行って下さい」などと次々に別の課へ案内されることがあります。

 

このような「その件の担当は別の部署です」という案内の連鎖を『たらい回し』と言います。

 

 

語源は、明治、大正時代の曲芸の1つで、鉄割熊蔵の足芸の『たらい回し』など諸説ありますが、女船頭さんの操船で有名な佐渡小木海岸の『たらい舟』とは無関係のようです。

 

 

もちろん、問題解決のために最初に訪れた部署よりもっと相応しい部署を紹介されることもありますが、責任回避のために互いに他の部署を押し付けあって一周回って元に戻るなんてこともあります。

 

願わくばクライアント・ファーストでやってもらいたいものですね。