『よすが』とは古くは「身寄り」「寄せるところ」「依す処」などとも言い、実際に身を寄せて安心して滞在できる所という意味だったようです。


次第に、『頼りにする相手』や『つて』の意味が強くなり、相対的に宿泊の意味が薄れ、「心のよりどころ」「頼りになる手段」「足がかり」「手がかり」「寄る辺」「拠り所」「拠点」など、抽象的・精神的な支えの意味になったようです。

 


また『よすが』は『縁』『因』『便』とも書き、「逆境」「苦難」「困難」に遭遇したとき、それに立ち向かう『勇気』『希望』『指針』を与えてくれる精神的支柱になる哲学、人生観、倫理観、信条、信念など、観念的な意味だったようです。


現代版生きるよすが』の最も代表的な意味は『拠り所』だと思われますが、『拠り所』は人それぞれの価値観によって「宗教や信仰」「家族や友人との絆」「社会的な関わり」「人生の目標」などさまざまです。

 


 

私たちは『生きるよすが』という駆け込み寺的な『隠れ家』『すがる物』『助け船』があることによって、孤独感から解放され、困難な状況に陥ったとき、その逆境や苦難に立ち向かう勇気や希望を持って「前進すべき道」を発見できたり、心を落ち着けて「自己の存在意義を確認」したり、「自分の人生を肯定」できたりするのではないでしょうか。