天空茶会(第八葉)深秋の茶事~温かな茶と人に逢いました~
温かい雰囲気と、心地良さをいつも感じる天空茶会。
先日開催された第八葉に参加しました。参加は今回で4回目となります。
会場はおなじみの「江戸からかみ 東京松屋」さんの4F。
5年前、私がこの会場で中国茶を学んだ仲間とお茶会を開催した時は、中国茶とは全く縁が無かった
そうですが、最近では中国茶の様々なお茶会やイベントなどが開催されるようになり、今では「中国茶
の聖地」とも呼ばれているようです。
今回のお茶席は「唐紅(からくれない)」と「冬華(とうか)」の2席です。
1席目「唐紅」の茶席主人は、越智さんと小林さん。
茶席の設えとお二人の衣装、「唐紅」の名前にバッチリ合っていて素敵です!!
最初に、越智さんのお茶をいただきます。
越智さんは、今年から福建省に住んでいるとのことです。私の父も中国在住で、浙江省杭州の西湖
近くに20年ほど住んでいますが、最初は現地に馴染むまで時間がかかったようです。
しかし、今では日本人と思われないくらい現地の人になっているようなので、焦ることもありません。
お茶は勿論?福建のお茶、正山小種(紅茶)です。
淹れていただいたお茶は、軽い松煙香と伴に龍眼香も少し感じられ、おそらく焙煎がやや弱めの
タイプだと思います。甜味がほどよくあり、とても飲みやすいです。このお茶でしたら、正山小種が
苦手という方も楽しめるのではと思います。
正山小種を飲むのは久しぶりでしたが、何煎も飲みたい気分になりました。甘いお茶菓子との相性
も良かったです。
次に、小林さんに淹れていただいたお茶は、雲南のプーアル生茶 南糯山古茶樹2008年。
南糯山のお茶は、中国少数民族の1つである布朗族によって主に作られており、以前、南糯山で
生育した喬木の大葉種生葉を見たことがありますが、手のひらサイズの大きさには驚きました。
今回のお茶は、小林さんご自身が2010年頃に中国で購入し、4年間自宅で熟成したお茶だそうです。
まだ少し若い感じが残っていますが、とても飲みやすく、何煎でもいけそうです。普段はあまりプーアル
を飲みませんが、このお茶を飲み終わった後、家の片隅でひっそりと熟成している(忘れられている?)
プーアルを飲んでみようかな~という気分になりました。このお茶も、甘いお茶菓子との相性が抜群で
した。
2種類のお茶を飲み終わった頃には、心も体もすっかり温まっていました。
2席目「冬華」の茶席主人は、樋下田さんと杉村さん。
杉村さんに淹れていただいたのは凍頂烏龍茶。台湾のナショナルブランドで、日本でも馴染み深い
お茶です。
私が初めて飲んだ中国茶(台湾茶)が凍頂烏龍茶で、今から約30年前、父の台湾の友人が淹れて
くれた焙煎が強めのものでした。当時は、お茶のことは全く分かりませんでしたが、お茶を“美味しい”
と感じたのは初めてのことで、今でも鮮明に記憶に残っています。美味しいお茶は他にも沢山あります
が、好きなお茶は?と聞かれると、「凍頂」と答えてしまいます。私にとって、原点とも言えるお茶かも
しれません。
今回、淹れていただいたお茶は、軽焙煎のものです。茶湯は透明感があり、清香系の爽やかな香り
がとても心地よく、飲んだ後はすっきりとした気分になりました。やはり、凍頂はいいですね~。
次に、樋下田さんに淹れていただいたお茶は、福建の漳平水仙紅茶。
このお茶を作っているところの写真を見せてもらいましたが、木型で小さく四角に固めるようで、出来
上がったお茶は丁寧に紙に包まれています。
乾燥茶葉を見ると、烏褐色でほんのりと艶があり、ゴールデンチップが少しあります。茶葉に触って
みませんでしたが、それほど高い圧をかけて固められているようにも見えません。どんな味、香りが
するのか楽しみです。
白い蓋碗は、ボディの下部がスマートに絞られていてカッコいい!
賞香すると、甘い香りがほんのりと漂ってきます。
茶海から注がれた茶湯には艶があり、甜香が鼻をくすぐる。飲んでみると、すっきりと甘く、すっとしみ
こんでいきます。
美味しい~と思っていたら、気が緩みすぎてしまったのでしょうか。粗相をしてしまいました…
2煎目のお茶を出していただいた時、飲杯を手前に持ってこようと思ったら、なんとお茶をテーブル
ランナーの上にドバっとこぼしてしまいました。テーブルランナーの端に、指が引っかかってしまった
ようです。お茶淹れでこぼしたことは何度もありますが、飲み人でお茶をこぼしたことは初めてです。
やってしまいました・・・シックで素敵な設えを濡らしてしまい大変申し訳ありませんでした。
他には3席あり、
【秋嶺】 チームメンズリーダーの佐藤さん率いる男茶席。(安吉白茶・鳳凰単叢)
【秋菊花】 見事な菊の花が印象的の茶席。(武夷水仙・安渓鉄観音)
【薫秋】 秋らしい設えで、私の大好きな台湾烏龍茶の茶席。(翠峰高山茶・東方美人)
全席座って飲みたかったですが、時間の都合で残念ですが今回は2席までです。
多くのお茶会では、それぞれテーマを持っていることが多く、可能であれば全席座ってお茶を飲んで
こそ、そのお茶会全体のテーマや想いなどがより伝わってくるのではと思います。
茶席主人の皆さん、スタッフの皆さん、ご一緒させていただいた皆さん、楽しいひと時をどうもありがとう
ございました。
また次回も楽しみにしています。