十三仏(じゅうさんぶつ)は、十王をもとにして、江戸時代になってから日本で考えられた、冥界の審理に関わる13の仏(正確には仏陀と菩薩)である。また十三回の追善供養(初七日~三十三回忌)をそれぞれ司る仏様としても知られ、主に掛軸にした絵を、法要をはじめあらゆる仏事に飾る風習が伝えられる。13の仏とは、閻魔王を初めとする冥途の裁判官である十王と、その後の審理(七回忌・十三回忌・三十三回忌)を司る裁判官の本地とされる仏である。
(本文は十三仏 - Wikipedia より)

日本においても古くから追善供養は行われいたが鎌倉時代の禅、浄土教の弘まりと共に民間風習が仏教化されるようになった。十王思想も地獄極楽思想に呼応して盛んに行われるようになり、ついには『仏説地蔵菩薩十王経』という偽経まで作られるようになった。そして十王の本地仏である不動、釈迦、文殊等より十三仏が興り、年回忌も段々増加してゆくのである。

初七日 不動明王
是大明王 無其所居 住衆生 心想之中

二七日 釈迦如来
釈迦如来 久遠成道 皆在衆生 一念心中

一周忌 勢至菩薩
勢至菩薩 動三千界 光明法門 利益衆生

第三年 阿弥陀如来
一念阿弥陀仏 即滅無量罪 現受無比楽 後生清浄土

三七日 文殊菩薩
文殊大聖 三世仏母 教化衆生 速証菩提

四七日 普賢菩薩
一切有情 皆如来蔵 普賢菩薩 自躰遍故

五七日 地蔵菩薩
地蔵菩薩 以大慈悲 若聞名号 不墜黒闇

六七日 弥勒菩薩
其後當作仏 名号曰弥勒 広度諸衆生 其数無有量

七七日 薬師如来
我此名号 一経其耳 衆病悉除 身心安楽

百ケ日 観音菩薩
其一切功徳 慈眼視衆生 福海無量 是故応頂礼

七年忌 阿閦如来
一仏成道 観見法界 草木国土 悉皆成仏

十三年 金剛界大日如来
一見阿字 五逆消滅 真言得果 即身成仏

十七年 胎蔵界大日如来
不捨於此身 逮得神境通 遊歩大空位 而成身秘密

三十三年 虚空蔵菩薩
大満虚空蔵 能化有情願 我今帰依礼 一切皆利益

以上のような三と七という数字を中心として数を取っている。三と七は仏教では成就または満足を表す数である。

(以上の文章は梵字大鑑 種智院大学密教学会編 805~807より)





*写真の中の十三仏曼荼羅の写真はチベット密教法具類・曼荼羅専門店カラパタールの店主萩原壮平さんより2010年に頂いたもの。(写真自体が外せなくてこんな感じですみません)
*この十三仏曼荼羅はマン・バハドゥールさんという、ネパールでは有名なお坊さん絵師が描かれたものです。通常タンカなどの仏教画は名前を記さないものですが、この方はネパールで例外的に、正式に名前を記すことを許された3人の中の一人で、日本では人間国宝に匹敵するほどの方です。
ネパール ・ ヒマラヤ雑貨専門店 カラパタール