脳外科の看護 その1 役割と仕事内容 | 看護師辞めたい。ダメ病院と良い病院の見分け方【看護師求人、就職、転職情報】

看護師辞めたい。ダメ病院と良い病院の見分け方【看護師求人、就職、転職情報】

看護師求人、転職、就職情報サービスを受ける前に看護師が知っておくべき必要なこと。これを読めば、病院とは何か?看護師の仕事にはどんなものがあるのか?が全てわかります!!

みなさん、こんにちは。管理者のもうです





これまで、このブログで病院の


・運営母体別(国公立、大学付属、民間病院)の看護の違い


病院タイプ別(急性期、療養、在宅、精神、高齢者施設)の看護の違い


等についていてお話してきたので、



これから各診療科別の詳しい看護の内容についてお話していこうと思います。




まず第1回目は、


「脳外科の看護」


です。



脳外科の看護


■役割と仕事内容


脳外科は、脳血管疾患の患者がメイン。


では、近年の脳血管疾患による死亡率は何番目くらいでしょうか?


1位?それとも2位?


以下が順位です。


<死因順位別死亡数>


1位:悪性新生物
2位:心疾患
3位:肺炎
4位:脳血管疾患


これは厚労省が出しているデータですが、この順位は平成24年から変わっていません。以前は3位が脳血管疾患、4位が肺炎でした。


高齢化が進んでいるので肺炎に罹る高齢者も増えたと言えますが、それだけではないでしょう。脳血管疾患に罹ったとしても、以前に比べ命が助かるから率が上がっているのも、一つの要因だと思います。


ということは、見方を変えると脳血管疾患を起こした患者さんに対して、医療従事者は助けられる人材でなくてはいけない・・・とも言えると思います。


今回は、脳外科へ転職を検討している看護師さんへ、実際に働いてみないとわからない脳外科での看護師の役割や仕事内容を、わかりやすくお伝えします。



■脳外科の看護師の役割


脳外科の看護師の役割で1番に挙げられるのは、患者さんを助けること。脳梗塞や脳出血・くも膜下出血といった急性期の脳血管疾患で救急搬送されてきた患者さんが、適切な医療を受けられるようにすることです。


今すぐにも命に関わるという緊急性のある場合は、救急搬送された後、救急外来を経て、そのままオペ室かICU入室となります。ですから、脳外科の病棟ではそこまでの緊急性はないけれど、まだ急性期にある患者さん達が入るわけです。


勿論、まだ症状が固定されていませんから、再出血や脳浮腫による急変なんかも起こります。そして「適切な医療を受けられるようにする」というのは、急変時に一早く気付いてとるべき行動がとれる、ということです。



脳外科の看護師に一番求められるのは、患者さんの急変に気づくこと。それには、日頃からの観察力や、疾患に対する知識も必要です。


急に状態が変化した場合、ただ「さっきと違います」では回答になりません。


「1時間前までは雑談に応じるほど会話が成立していましたが、今は会話ができず、右口角が下がり、流延があります。指示が入らないので、手足の麻痺は評価できません。バイタルは○○で、変化ありません。」


このような、何がどう違うのか。そして医師が知りたいことを先に観察できているかどうか。それが、観察と疾患の理解が伴っている看護です。

そして、急変時に何からどう行動すべきかという判断力、必要なことを手短にスタッフに伝えて助け合うコミュニケーション能力、素早くルート確保する技術、いろいろなスキルが必要になります。



■急性期だけでは終わらない脳外科看護


急性期だけでは終わらないのが、脳外科看護です。


脳血管疾患の患者さんも、急性期を脱した後はリハビリテーションに移ります。勿論、リハビリによって罹患前の生活にそっくりそのまま戻れるなら、それが一番望ましい姿。しかし、そうはうまくいかないのが現実です。


特に脳血管疾患の患者さんの後遺症として、言語障害や麻痺による歩行障害などが残るケースが多くあります。そうなると、急性期病棟である脳外科病棟からいきなり自宅に退院しても、患者さんも家族も困ります。ADLの低下や障害が残った患者さんに、ご自身で自立した生活をすることは難しくなります。


例えば、食事・排泄・入浴はどうしよう?


経口摂取できなくなった患者さんは、胃瘻を増設していることもあります。経管栄養の管理、必要時痰の吸引も周りの人間がすることになります。自力で尿を出し切ることができずに膀胱留置カテーテルを挿入したままの場合もあります。全くの寝たきり状態で、2時間ごとの体位交換、オムツ交換が必要になる場合もあります。


これら全てを、いきなり家に連れて帰ってできる家族はいません。それに、患者さんの家族が高齢の場合、介護はかなり難しいでしょう。だからといって若い家族ならいいかというと、生活するためには仕事がありますよね。


患者さんは1人ずつ症状も違えば、性格も、それまで築いてきた生活も違います。そして、家族もそれぞれの社会生活があれば、介護能力も理解度も違います。本人の症状に対してどのくらい日常生活動作に支援が必要で、誰がどのくらいの介護ができるのか、自宅の改修は必要なのか、このあとのリハビリでどのくらいの回復が望めるのか・・・検討することは山ほどあります。


急性期病棟にいられるのは、極限られた期間。その間に次の行き先や、必要な支援を整えなくてはなりません。


それには家族を始め、医師・介護支援専門員(ケアマネ)・病診連携・各リハビリスタッフetc.の連携が必要です。


これらコメディカルの間に入って調整するのも、看護師の重要な役割。医師やケアマネ・リハとのやりとりをしつつ、家族への退院指導も必要になるかもしれません。このあと行く先のリハビリ専門病院へのサマリーといった、事務手続きも必要。


このように脳外科の看護師は、急性期の患者さんの観察や処置から退院を見据えた調整まで、幅広いことが求められます。確かに、覚えないといけないことも多く大変に思うことも多いかもしれませんが、その分非常にやりがいも持てると思います。


みな最初は不安なものですが、思い切って勤務してしまえば、必死になっている間にスキルは身に付いていくと思います。


次回は「脳外科看護師のやりがい」についてお話します。





よかったらクリックお願いします!m(__)m↓









ブログランキング・にほんブログ村へ