育成 [卒啄同機]
12日、プロ野球交流戦、オリックス 対 巨人戦・・・
巨人先発の沢村拓一投手。
人気では日ハムの斎藤佑樹投手に軍配が上がりますが、実力ではそれを上回る評価を得て、プロ球界に入った大物ルーキーです。
しかし、順調に勝ち星を先行させる斎藤投手に対して、なかなか勝ち星を挙げられない沢村投手。
ピッチングの内容からすれば、斎藤投手よりも、沢村投手の方が上回っているように見えます。
何故か打線の援護を得られません。
沢村投手は、1回裏に1点を先制されたものの、2回表の攻撃で味方のソロ本塁打で帳消しにしてもらいます。
今日こそはと期待が持たれますが、同点のまま、8回表の攻撃を迎えます。
しかし、そこでも絶好のチャンスを得ながらして、得点することができませんでした。
そして、その裏。
逆に2死、2塁のピンチを迎えたところで、2ラン本塁打を浴びてしまい、9回表の攻撃で、 1点を返すも、そこまで・・・
沢村投手は、7回まで1失点で好投したものの、味方の援護なしに8回に力尽き、8回、7安打、3失点で今季5敗目(2勝)を喫してしまいました。
「ナイスピッチングしましたね。援護がない。ベテランクラスが彼を育てないと。沢村も我慢だね。」とコメントしたのは原辰徳監督。
対して・・・
「これからが楽しみ」
初先発で6安打4失点で3回途中降板した埼玉西武の菊池雄星投手に対しての渡辺久信監督のコメントです。
「初登板で緊張していたと思います。今日の反省を踏まえて練習してほしい。」
「そんなに悪くなかった。これからが楽しみになってきました。」
「1回(登録を)抹消します。うちにはタフな連戦があるので、そういうところでチャンスがあるかもしれない。そのためにファームで頑張ってほしい。」
「卒啄同機」(さいたくどうき・そったくどうき)という言葉があります。
雛が卵からふ化するとき、親鳥が外側から卵の殻をつつきます。
すると、ふ化する準備ができた雛は、それを真似して卵の中から殻をつつきます。
親鳥が早く卵を割ってしまうと、雛は死んでしまいます。
逆に遅ければ、雛は卵の中で死んでしまいます。
この言葉は、雛(選手)を育てる上で、(監督の)育成するタイミングが大切であることの教訓です。
沢村投手、菊池投手を育成する立場にある、それぞれの監督の指導のタイミングを見守りたいと思います。
※便宜上、「啐」に対して「卒」を使っています。