◆雨水にも微小プラ、ロッキー山脈で「プラスチックの雨」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190820-00010000-clc_guard-int
2019/8/20(火) 9:36配信
【記者:Maanvi Singh】
 米地質調査所(USGS)の研究員グレゴリー・ウェザービー氏は、ロッキー山脈から採取した雨水分析で、思いもよらなかったものを見つけた――プラスチックだ。「主に土や鉱物粒子が検出されると思っていた」が、発見したのは色とりどりの微小プラスチック繊維だった。
 この発見をまとめた報告書「プラスチックの雨(It is raining plastic)」は、大気、水、土壌など事実上地球のあらゆる場所にプラスチックごみが大量に浸透している問題について一石を投じている。
 ウェザービー氏は「目に見える以上にプラスチックが存在するということを米国の人々に知らせることが最も重要だと考えている」と話す。「雨にも、雪にも含まれており、もはや環境の一部となっている」
 コロラド州一帯で採取した雨水の試料を顕微鏡で分析したところ、ビーズ状のプラスチックや破片とともに、色とりどりのプラスチック繊維が検出された。
 ウェザービー氏は「発見は偶然の産物だった」と話す。だが、今回の研究結果は、プラスチック粒子は何千キロとは言わないまでも何百キロも風に運ばれて移動することを示唆したフランス・ピレネー山脈での研究結果と一致している。また、別の研究では、マイクロプラスチックが海溝の最深部や英国の湖や河川、米国の地下水などにも浸透していることが明らかにされている。
 米ペンシルベニア州立大学ベーレンド校で持続可能性コーディネーターを務めるマイクロプラスチック研究者シェリー・メイソン氏は、主な原因はごみだと指摘する。プラスチックごみの90%以上が再利用されず、徐々に劣化し微小化されていくためだ。メイソン氏は、プラスチック繊維は洗濯をするたびに衣類から剥がれ落ちる他、プラスチック粒子はさまざまな産業過程においても副産物として排出されていると述べた。
 メイソン氏は、このような微小プラスチックの発生源をたどるのは不可能だが、ほぼすべてのプラスチック製品は大気中に粒子を拡散している可能性があると指摘した。「さらに雨が降るとこれらの粒子は雨粒に取り入れられ」、河川、湖、港湾、海洋に流れ込み、地下水に浸透するという。
 自然界からすべてのプラスチックを除去するのは理論上可能なのか、可能ならばどれくらいの時間が必要なのかということもいまだ解明されていない。ウェザービー氏は「地下深くの地下水からもプラスチックが検出されていることと河川にも蓄積されていることを踏まえると、何百年もかかるだろう」と述べた。
 動物や人間は、水や食べ物を通じてマイクロプラスチックを摂取している。おそらく大気中のマイクロプラスチックやナノプラスチックも吸い込んでいるだろう。だが、健康への影響はまだ分かっていない。マイクロプラスチックは、水銀などの重金属や有害化学物質、さらには有害な細菌を引き寄せ、付着することも可能だ。
 人は生まれた直後から多数の合成化学物質にさらされているため、これら合成化学物質にさらされなかった場合、寿命がどれほど延びるのかということを判定するのは難しいと、メイソン氏は言う。「プラスチックと健康の関連性のすべてを理解することはできないかもしれない」
「だが、プラスチックを吸い込むのはおそらく良くないことは十分に分かっている。プラスチック依存を劇的に減らすことを考え始めるべきだ」【翻訳編集】AFPBB News
「ガーディアン」とは:
1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。
 
◆柔軟剤も香料をマイクロプラスチックで包んでいます。香りを長続きさせるためです。排水されたり干している間には空気中にまき散らしています。こんなに身近なものに使われているのです。
消費者がプラスチック問題に真剣になれば企業も変わるはずです。
 
◆恐らくこの問題は気候問題と同じく
「なかなか進まない問題」になると思います。

なぜかと言えば、全世界的な排出量管理が必要な問題であるにも関わらず、こういった活動に没頭できる余力がある先進国と、発展に必死な新興国では温度差があるからです。
川への汚水排出すら対応できていない国が、微細プラスチックに気をまわす余裕があるでしょうか。ましてや先進国ですら難しい問題なのにです。

とは言え問題意識を持つこと自体は悪いことではない。
技術開発でこれを打開できるよう努力も必要です。
 
◆マイクロプラスチックは石綿のように肺などに影響しないのだろうか?この世の物はなんでも天然由来ではあるんだけど生成方法が問題で、天然界ではどうあがいても作られない分子構造分の物がどう影響するか分かってない、これが一番の問題。
便利で安価だから多くの利益を生むと無計画に使い続けて、数々の失敗を繰り返してきた。失敗から学べないのはどうしてなのか。
 
◆マイクロプラスチック - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/マイクロプラスチック
マイクロプラスチック(英: microplastics)は、(生物物理学的)環境中に存在する微小なプラスチック粒子であり、特に海洋環境において極めて大きな問題になっている。
一部の海洋研究者は1mmよりも小さい顕微鏡サイズの全てのプラスチック粒子と定義してながら、5 mmよりも小さい粒子と定義している研究者もいる。

海洋生物がマイクロプラスチック自体と、それに付着した有害物質(PCBやDDTなど)を摂取し、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。科学的な検証・検討は途上であるが、日本を含めた世界の官民で、発生量抑制や回収を目指す取り組みが始まっている。
 
◆そうだったのか!マイクロプラスチック問題とは?(2) | なるほど話 | DOWA ...
http://www.dowa-ecoj.jp/naruhodo/2018/20180801.html
2018/08/01
マイクロプラスチック問題とは?
    第1回 海洋ごみとは?
    第2回 マイクロプラスチックについて
    第3回 ママイクロプラスチックの問題と国際動向について
【2】マイクロプラスチックの定義
マイクロプラスチックは微小なプラスチックのことを指します。ただ、その大きさに関して公式の定義はありませんが、多くの場合5mm(ミリメートル)以下のプラスチック粒子を指します。(よって、ペットボトルやレジ袋などはマイクロプラスチックには含まれません。)
単位におけるマイクロ(μ)は100万分の1のことですので、1マイクロメートルは、髪の毛の太さのさらに千分の1程度になります。実際にマイクロプラスチックは、マイクロよりさらに小さい、nm(ナノメートル)単位(10億分の1m)のサイズも存在しています。これらは当然、目視できず、電子顕微鏡などでしか確認できないサイズです。
 
◆第1回 忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実 - ナショナルジオグラフィック
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/18/053000010/053000001/
21世紀に入り、生産量が激増しているプラスチック。
便利さの一方で、現在、大量のプラスチックが海に流出し続け、5mm以下の「マイクロプラスチック」の汚染にも大きな注目が集まっている。
そこで、早くから研究を続けてきた高田秀重先生の研究室に行ってみた!...1/4
  
    第6回 1億種以上の化学物質と人類の未来について
    第5回 「日本でもレジ袋の規制に踏み出すべき時」
    第4回 マイクロプラスチックの健康への影響は?
    第3回 皇居の桜田濠でもマイクロプラスチック汚染
    第2回 2050年には海のプラスチックの量が魚を超える!?
    第1回 忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実
 
◆マイクロプラスチック、日本の海は世界平均の27倍…人体に影響ないのか?
https://dot.asahi.com/wa/2019062100015.html
2019/06/24
プラスチック製ストローの使用中止やレジ袋有料化の動きが目立ってきた。
背景には、プラスチックが細かく砕けた「マイクロプラスチック」(MP)が海や川に増えていることがある。
日本周辺の海に漂う量は世界平均の27倍という。
ヒトが取り込むことで健康への影響も心配される。
有効な対策はあるのか。ジャーナリストの桐島瞬氏が迫る。