第一章 校舎の静寂



午後四時三分。


市立青葉第二中学校。


「保護者が校内で立て籠もり。刃物所持。教師を人質にしています」


通報を受け、警視庁特殊交渉班が出動した。


高橋幸一が到着した時、校門の前には泣き崩れる保護者と報道陣が集まり、異様な空気が漂っていた。


立て籠もっているのは、亡くなった生徒の父親――藤原健一。


数日前、二年生の男子生徒が校内で死亡した。


学校側は「事故」と発表していた。


だが、遺族は納得していなかった。