第五章 その後
佐伯の証言をもとに捜査が開始された。
・九年間の賃金未払い
・生命保険金の不正な要求
・取引先との違法な資金操作
上司は業務上横領と詐欺で逮捕。
取引先企業の幹部も粉飾決算と不正融資で逮捕。
会社は信用を失い、倒産。
そして、かつて佐伯が思いを寄せた女性――
彼女の夫はその取引先企業の幹部だった。
会社倒産により経済的破綻。
やがて離婚が成立した。
だが、佐伯の人生がすぐに好転したわけではない。
裁判を経て、彼は執行猶予付き判決を受けた。
障害年金の再審査も進み、未払い賃金の一部は回収された。