2014年、県境ライン全走破計画 stage(四国山脈脊梁越)8-2 | 柴犬と小規模農家の奮戦記!

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2014年と言う10年前となってしまった県境を跨ぐ車道の全走破ツーリングも四国の尾根と言われるエリアを横断するコースとなっています。

かつては殆ど人を寄せ付けないような険しいルートでしたが、今は全ての車道が舗装され、車での移動が可能となっています。

それでも、災害によって通行が左右される時もあり、通行量は殆ど無いと言って良いルートです。

 

■走行日2014年7月~8月

 

県境を越える前に“奥白髪林道”と“竜王林道”の20キロの未舗装林道を十分に堪能した後は、再び県道264号線で県境へ向かいます。

この道は、平成初期までは未舗装の峰越え林道で、入り込むと不安になるほどひっそりとしたルートでした。

 

 

最奥の地区である坂瀬を過ぎると、いつもの四国特有のクネクネの急カーブが連続してきて峠が近くなる雰囲気がしてきます。

 

 

そして県境の“白髪トンネル”に到達します。

県境にそびえる東側の“佐々連尾山(1404m)”と西側の“兵庫山(1302m)”の間にあるトンネルで以前はトンネル前後は未舗装の道が残っていましたが、今は舗装されています。

 

 

白髪トンネルは全長は820mですが、大きさの割にはひっそりとした雰囲気で、トンネル内は昼間でも真っ暗です。

 

 

ちょっと不気味さを感じるトンネルを抜けて愛媛県に入ります。

 

 

標高は970mにあり、トンネル名は“白髪隧道”で竣工は昭和41年3月15日です。

愛媛県側も高知県側も県名表示のカントリーサインはありませんでした。

 

 

その代わりのような、意外と大きな道の開通記念碑があります。

愛媛県に入ると県道は126号線となり、四国中央市となります。

旧名で言うと伊予三島市です。

市と言っても、初めて通った時は人を寄せ付けないほどの山間部の奥深さには不気味さを感じたものです。

 


昭和時代に初めて走った時は大きな石がゴロゴロ埋まっていて、川原を走っている様なハードな区間もあったほどの秘境ルートでしたが、今はそんな事は感じられないほど道は整備されています。
ところが県道となって全線舗装されてしまっているとばかり思っていたのですが、何と、まだ未舗装の区間が残っていたのです。

このサプライズには思わず「おお!まさか!」と大感激してしまうほどでした。

「よくぞ、残ってくれていたな」と貴重なダート区間を大事に噛みしめるように走ります。

 

 

植林の杉に囲まれていますが、神社仏閣の境内を思わせるような、何やら荘厳さを感じます。

愛媛県側は県境から海岸までの直線距離は短く、それゆえに山肌は急峻となっています。

高知県側の雰囲気とはまるで違う、県境ルートの醍醐味を味わうことが出来るルートとなっています。

 

 

この未舗装区間はそれほど長い距離ではありませんが、県道としては思ったよりも未舗装区間が残っていて、こんな未舗装の道がいつまでも残っていて欲しいと思いながら、貴重な未舗装区間を下って行きます。

 

 

愛媛県側の下り坂は急峻となっていて、ずっとカーブの多い道が続きます。

しかし、未舗装の道が楽しくて仕方がありません。

何度も思いますが、ずっと残って欲しい未舗装道です。

 

 

やがて、「猿田」という地区に入ってきます。

猿田と言う地区は「上猿田」と「下猿田」という集落に別れています。

 

 

急斜面となっている山肌に集落が点在していて、少しの面積に畑や田んぼが作られています。
猿田川に架かる上猿田橋を渡って行きます。

猿田川は銅山川の支流ですが、高知県側の汗見川もこの猿田川も同じ吉野川水系となります。

 

 

猿田の集落から「土佐本山」まで32kmの表示板があります。

そんなに距離があるのかと思いながら「高知」ではなく「土佐」と言う表記に歴史を感じ、また人里離れた山深い地域のど真ん中にいる事を今でも実感します。

四国山脈と中央構造線の山脈に挟まれた区間で、急峻な谷間に民家は点在していて平地はほとんど見当たりません。

昔からの雰囲気を残す集落で何だかホッとするようなエリアです。

 

 

下猿田の集落を過ぎ、下り道を下りきると県道6号線沿いの「富郷」という地区へと到着して県境を越える県道246号と126号線のルートは終了します。
バイクの横の民家は以前は茶屋だった建物で、以前にはそばやうどんを食べた事があります。

貴重な県道の未舗装区間も残っていたこのルートはこの時で実に17年振り。

それ以降も走る予定はありましたが、たびたびの土砂崩れ等で常に通る事は出来ないままでした。

それだけに今回のツーリングで一番心配していたルートでもあり、こうして通り抜け出来たことと未舗装区間が残っていた事に、うれしさは一入です。

 

 

県道6号線を西へと進んで行きます。

南にそびえる県境の四国山脈と北側の中央構造線上にそびえる法皇山脈に挟まれた谷間を走るようになり、道沿いには“富郷(とみさと)渓谷”が流れています。

以前は1車線の舗装林道のような県道6号線も、今は2車線の快走道となっています。

 

 

富郷渓谷は銅山川にあり、その上流には“富郷ダム”があります。

富郷ダムは2000年に完成された動力式コンクリートダムで、高さは106m。

愛媛県の水源となり、工業用水や発電を目的とした多目的ダムです。

 

 

さらに銅山川に沿って県道を西へと走り、四国中央市(旧伊予三島市)から新居浜市(旧別子山村)へと入って行きます。

架かる橋も“別子橋”で、別子銅山で栄えた山がある地域です。

地名からして、山間部の奥深い場所であることを実感したものです。

この銅山川も吉野川水系で、四国山脈と法皇山脈の間を流れる吉野川最長の支流です。

水源はstage7の瓶ヶ森林道から見た県境ラインにそびえる“冠山(1732m)で、そこから東の旧新宮村、徳島県側へと流れて三好市で吉野川へ流れこみます。

徳島県側では“伊予川”とも呼ばれています。

 

 

そして、中央構造線上の法皇山脈も旧別子山村に入ると、“赤石山脈”と呼ばれるようになります。