10年前となった2014年ツーリングは四国の尾根と言われる石鎚山系から瓶ヶ森の稜線を行き、車道では1000mを越えるルートが続き、最も高いエリアを走破してきました。
それでも、まだまだ標高の高いエリアは続き、四国山脈の険しさを実感して行きます。
■走行日2014年7月~8月
stage8はちょうど四国の真ん中を走るエリアとなり、「県境ライン走破ツーリング」も半分の中間エリアへとやって来ました。
高知県の最奥部と言われる嶺北地区から中央構造線の山間部である愛媛県の伊予三島地区から別子山村の秘境とを結ぶ県境峠を越えて行くのです。
出発点の大豊町と本山町の境にある吉野川に架かる“下津野沈下橋”にXRとともに立ちます。
ここは吉野川の上流域から中流域へと移って行く地域であり、高知県内を流れる吉野川には少ないながらも沈下橋が残っています。
そこから、吉野川沿いの県道を西へ行き、吉野という地区から県道で県境を目指して行きます。
吉野と言う地区は本山町と土佐町の境にあり、そこには巨大な重力式ダムが見えてきます。
西日本最大の早明浦ダムです。
ダム貯水池の渇水時には良くニュースで登場しますが、実はこのダムの水は雨量の少ない北四国を潤すための物で高知県にはそれほど影響あるものではありません。
どちらかと言うと、徳島県や香川県への供給用のダムで、このダム湖の水が無くなると、さぬきうどんも危うくなるのです。
吉野からは昭和43年架設の“吉野橋”を渡り、吉野川支流の汗見川沿いに県道264号坂瀬吉野線を伊予三島方面へ北上します。
伊予三島というのは現在は四国中央市となっています。
汗見川と吉野川が合流する地点に架かる“吉野橋”の欄柱には「吉野川支流汗見川」と表示されています。
この橋が県道264号線の起点地ともなっています。
川沿いに遡って行くと、途中では廃バスがありました。
高知県交通のものです。
吉野川の支流である汗見川の渓谷を見ながら山に囲まれた道を縫うように上って、冬ノ瀬という地区に入ります。
そこにある白髪山の登山口へと繋がる“奥白髪林道”の分岐へとやってきます。
白髪山という山は高知県には2つあり、もう一つは東の物部にあります。
ここの白髪山は標高1469mで登山しやすく人気のある山です。
また山自体が「奥白髪」とも言われ、結晶片岩が多いため、元々「白峨(しらが)」と書かれていたそうです。
ここは当然のごとく、貴重な未舗装林道走行となって、県境近くに向かって行きます。
入り口からすぐに待望のダート道となり原生の広葉樹林の中を行くようになります。
この当時はすぐに未舗装となりましたが、今は舗装が進んでいると聞きました。
奥白髪林道のダート道をグングンと登って行きます。
この林道は白髪山登山道の連絡道ともなっていますので、その案内板が設置されています。
オフロードバイクツーリングで最初の未舗装道に入る瞬間というのは、何とも言えない快感があります。
それにこの時では15年振りの林道も以前と変わらず、舗装の脅威は無い嬉しさで顔がにやけてくるのでした。
やがて白髪山への登山口へ到達します。
まわりの山々の木々は緑一色。
そんな緑を見ていると気持ちがすっきりとして、心の中まで洗われるような気持ちになります。
未舗装でありながら快適な林道走行で、コーナリングを右に左に上り詰めて行きます。
四国百名山に選定されている白髪山周辺は急峻に標高を上げていますので、上りはかなりハードに迫っています。
でも路面は走りやすく、高い位置に来ると眺望が開けてきますので、オフロード走行の醍醐味が味わえるコースとなっています。
奥白髪山系やこれから目指す県境に連なる山々が見られ、四国のど真ん中の奥深く入ったような感動を味わってきます。
眺望が広がる場所では、雄大な景色が見渡せます。
上りきった所で切通しの“竜王峠”に到着します。
ここは、これまで走ってきた“奥白髪林道”と“仁尾ヶ内林道”、“竜王林道”の3つの林道の分岐点となっています。
仁尾ヶ内林道は立川方面へと抜けていく15キロほどの未舗装ルートですが、次のステージで走る予定なので、今回は竜王林道を行き、県道245号線へと戻って行きます。
峠からは急坂で下って行くようになりますが、いかに高い所を走ってきたことを実感して行きます。
下りルートもカーブが連続して、県境を越える県道へと向かって一気に下って行きます。
これがなかなか険しいです。
約12キロの竜王林道を走りきると県道に出てきます。
奥白髪林道からトータルで20キロほどの未舗装走行でしたが、舗装道の多いツーリングの中、これだけでも十分に堪能できたコースでした。
以前と変わらない未舗装距離も嬉しいものでした。
この県道264号線もこの時よりも30年ほど前までは未舗装の“白髪林道”といわれていた道ですので、坂瀬という地区にあるこの坂瀬隧道を見ると当時の頃を思い出します。
未舗装時代に2度ほど走ったことがありますが、残念ながら写真が残っていません。
冬になると、雪もけっこう降りますので積雪の中もよくバイクで来たルートです。
1966年竣工の坂瀬隧道は2つありますが、第2隧道の出入り口の部分はコンクリートですが内部は素掘りのままです。
この素掘りと言うのが秘境感を味合わせてくれます。
やがて県境峠が近くなると、県境に連なる稜線が目の前にくっきりと現れてきます。
今回のルート