2014年、県境ライン全走破計画 stage7-5(瓶ヶ森ルート) | 柴犬と小規模農家の奮戦記!

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四国の2014年と言う、10年も前になってしまった県境ツーリングですが、オフロードを取り巻く環境は年月が経つと変化して行きます。

特に未舗装のルートや昔の遺産や遺跡は条例や法律でその保存を定められない限り、撤去されたり整備されていきます。

その中でも奇跡のような昔と変わらぬ大森川ダム貯水池を取り巻く林道を走り抜け、四国の屋根の懐に飛び込んでいきます。

 

■走行日2014年7月~8月

 

環境の変化を肌で感じておきたいと、かつてのオフロード天国を噛みしめながら四国の尾根へ向かう前に、吉野川の源流地へと向かいますが、寺川の集落を抜けるとやはりかつての未舗装だった区間は舗装が延びていました。

 

 

この時よりも13年ほど前に訪れた際には、まだ秘境感が満載で、すぐに土道での道程となって源流地へと迎えてくれました。

 

 

幸いにも舗装区間はそれほど伸びていなく、かつての景色とほぼ変わらぬ状態で、四国の尾根を見上げながら源流地へと向かうことが出来ました。

これは以前に訪れた時の様子です。

 

 

四万十川源流地への道が舗装されてしまいましたが、吉野川への源流地へはまだダート道となっていて、この時はダート走行で近づいて行けました。

やっぱり、こうした道の方が山探索の気分が盛り上がります。

 

 

やがて、林道に架かる“源流橋”を渡り、そして、“吉野川源流への道”に到着です!

 

 

欄干には“源流橋”の名が表示されています。

 

 

源流橋から見る吉野川の渓谷です。

何にも代えがたい自然の美であり、財産と言うべきものです。

 

 

ここには登山口の案内板があり、ここから源流地への道が始まります。

あたりは杉、ヒノキ等の植林帯ですが、10分も登ると落葉高木が群生する原生林となり、秋は紅葉が素晴らしいといいます。

 

 

でも、時間の都合で源流地への登山は次の機会にして、今回はここまでとします。

せっかくなので登ってみたいところですが、吉野川の渓流を見て少し休息した後は再び県道へ戻り、県境ラインを目指して行きます。

 

 

吉野川源流地から再び県道40号線で県境峠を目指して上って行きます。

前方に立ち塞がっていた山々が間近に迫ってきます。

この時よりも25年ほど前に初めて通った時は未舗装の“長沢林道”といわれていたこの道もすっかり舗装されて、今では“県道40号石鎚公園線”となっています。

 

 

道はやがて源流の沢を離れ、グングン高度を上げて行きます。

吉野川源流支流の“名野川”の青い流れを遥か下の方に眺めます。
ヘアピンカーブを曲がり、高度を増すにつれて高山植物が目立つようになります。

 

 

そして、吉野川源流の四国の尾根に到達しました。

県境で標高1368mの「よさこい峠」です。
今は“よさこい”ですが、以前は“予佐越峠”と漢字で表示されていました。
伊予と土佐の境にあることから“予佐越峠”ですが、よさこい節との語呂合わせにも良いと、道が開通した当時の高知営林局長が名付けた峠名です。

 

 

峠には茶屋もあり、これまで走ってきた県道40号線と瓶ヶ森林道の合流点になっています。
そんなよさこい峠からは瓶ヶ森登山口方面へと行きます。

 

 

峠の南側には県境にそびえる“筒上山”(1853m)や“手箱山”(1806m)が連なっています。

 

 

よさこい峠を過ぎ“名野川越”、“シラサ峠”を越えて行くと、後ろには石鎚山がうっすらと見えます。
標高1982mの石鎚山は四国の最高峰、と言うよりは、西日本最高峰なのです。

古くから山岳信仰の霊山として役小角(えんのおづえ)や空海も修行したと言われている、日本七霊山の一つとされています。

長く女人禁制の山として知られていましたが、今では女性にも開放されています。

 

 

瓶ヶ森林道は石鎚山登山口から東へ四国山脈の尾根沿いを走る林道で、東の寒風山登山口まで約27キロの山岳ルートです。

 

 

以前は全線未舗装の道で、東の“剣山スーパー林道”、西の“瓶ヶ森林道”と四国の2大山岳林道として最高のオフロードコースでしたが、瓶ヶ森林道は残念ながら、この年から16年前に全線舗装となってしまいました。

 

 

かつては未舗装の穴場的な絶景コースだった瓶ヶ森林道ですが、ガイドブックでも紹介されるようになり、通行量が多くなってきて、休日には渋滞も起こるようになっているらしいです。

転落事故もおきかねないようで、やっぱり山道は舗装してしまうと静かな景観や雰囲気が失われてしまいます。

この区間は最も未舗装ルートとしての魅力があっただけに残念で仕方がないです。

 

 

それでも四国山脈の稜線上を通るため見晴らしは最高です。

石鎚山を始め連なる高峰群を一望するようになり、まさに四国の大屋根を走って行く気分になってきます。
石鎚山を遠くに見た後、今度は“瓶ヶ森”(1897m)が近くなって来ます。