stage6は愛媛県の松山市を起点に高知県の須崎市が終点となる、国道494号線を須崎市側から松山市へと向かう行程です。
この国道は旧松山街道に沿うように、人知れない山間部を縫うように通る酷道なのです。
高知県最奥の仁淀川町池川から支流の土井川に沿って、県境向けて山深く入って行きます。
■走行日2014年7月~8月
瓜生野(うりゅうの)という最奥の集落を過ぎると、いよいよ県境が近くなってきます。
それまでは山深い中を狭い山道でありながら、それほどきつい勾配やカーブは無く、民家が点々とありましたが、人の住んでいる気配は全く感じなると徐々に急カーブが多くなり、県境が近くなってきたことを感じてきます。
最奥の民家を見る所は「ミョウセン」と言う地区で、ここからはつづら折れの急坂が続くようになり、峠へ上る様になります。
何度かヘアピンカーブを繰り返し、この最後のへピンカーブを曲がると・・・・。
県境の“境野隧道”が現れます。
標高は627mで、これまでの県境と比べると比較的低い鞍部にある県境峠です。
かと言って、周辺の山々は石鎚山系に連なる山々の懐になるので、秘境感はたっぷりと感じる県境です。
トンネル方面のおにぎりの下にある地区名では「 コグラ」となっていますが、反対側では「カミコグラ」と表示されています。ずっと前からこの状態です。
この不思議な感じのする片仮名の地名ですが、この下の「ミョウセン」も含めて、「ナカノヂ」「ヲヲカゲ」「ドロメキ」「カラグリ」等の地名があります。
トンネルに近づいて、もっと手前から高知県側を振り返ると「高知県仁淀川町」のカントリーサインがあります。
今は「仁淀川町」ですが、合併前は「池川町」でした。
境野トンネルは珍しく、出入り口の側面にもトンネル名の“境野隧道”という銘板が設置されています。もちろん入り口上部にもあります。
トンネル施工は昭和39年3月で延長は323mで、抜けると愛媛県久万高原町(旧美川村)に入ります。
愛媛県側にも県名と町名のカントリーサインがきちんとあります。
境野トンネルからは下りの道となって行きます。
愛媛県側に入ると、高知県側とは違った空気や雰囲気となり、少し開けて明るくなった感じがします。
道沿いにあった深い谷間の渓流は無く、里山という感じの穏やかな山間の中を抜けて行きます。
そして、道路の壁面にはへばりつくように、おにぎりが設置されている所もありました。
穏やかな雰囲気と言っても酷道であることには変わりありません。
県境から約2キロほど下ると、“伊社船(いしょぶね)”という地区に来ます。
そこからは伊社船橋を渡って未舗装の“イショブネ林道”が分岐しています。
ここは迷わず、このルートを選んでいきます。
伊社船橋の欄柱。
オフロードライダーとしては、ここでは一端、国道を離れて未舗装道を走りたくなります。
何せ、本格的な未舗装ルートはstage4の森ヶ内林道以来の事で未舗装道に飢えていたのです。
この林道は経由で国道494号線上の仕七川(しながわ)という集落まで通り抜けますが、林道走行となると国道全線走破という目的に反しますが・・・・・、どうしてもこの通り抜けの未舗装道を外す訳には行けません。
“イショブネ”と言う、ここの地名の林道の名前が付いていますが、ここは林道終点部となっています。
入り口付近は鬱蒼としていましたが、すぐに景色が開けて農道のような区間があります。
しかし、すぐにタイトなカーブのある上り道へと変わって行きます。
昔と変わらぬ、最初から未舗装の道で気持ちが嬉しくなり、「やっぱりいいね!いつまでもこのままでいてくれよ!」と一人満足気分で未舗装道を楽しんで行きます。
林道から石鎚山系の山並みが見られます。
林道脇には7月でありながら、まだ紫陽花が咲いているところがありました。
今回の行程