東京に着いた美也はホテルに部屋を取りマネージャーの遠山悦子に「離婚したい」と電話を入れる。「どうしたの?美也ちゃん!」すすり泣くだけの美也を案じてタクシーで駆け付けようとするマネージャー。
遠山悦子、42歳、離婚歴があり世田谷のマンションに中学一年生の娘と住んでいる。12時を過ぎてもベッドで腹ばいになりスマホをいじっている娘に「早く寝なさい!」ときつく声をかけ、美也のもとに向かう。数行の描写を読むだけで悦子と娘との日常のやり取りが見えてくる。
物語を紡ぐ方ってすごいなと思うのはこういう場面。
美也が貫一の存在を改めて見出すのは悦子から「ねェ、これあんたの知っている人じゃないの?」とスマホの画面を見せられたから。ネットにあげられたニュースに「わらじメンチのイケメン社長 間寛一さん」という文字とともに貫一の小さな顔写真が。スマホの画面を目にしたまま固まってしまったような美也。
今日の連載では離婚の文字はないからやっぱり仮面夫婦を選んだのかしらね。年若く美しいモデルの妻を持つやり手のIT実業家。億万長者で妻の仕事に理解がある夫がいる一流モデル。お互いの素顔を隠しきるには仮面じゃ足りないくらい。仮面夫婦ならゴロがいいけど、お面夫婦になるともう笑うしかない。