『Fランク化する大学』を読む(木) | 柴犬カン、福の日記

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柴犬カンと福、筆者の出来事、想い、政治、経済、文学、旅行、メンタルヘルス、映画、歴史、スポーツ、等について写真を載せながら日記を綴っていきます。柴犬カンは2018年12月に永眠しました。柴犬福が2020年4月7日夕方にわが家にやってきました。その成長記録。

 「Fランク」という言葉、確かにぼんやりは知っていた。ただ、なんだか人を馬鹿にしたようなニュアンスが感じられて好きになれなかった。だから詳しくも調べずにいた。

 しかしとあるきっかけがあってこのFランクなるものを調べなくてはならなくなった。

 まずこの言葉は、大手予備校が大学入試の難易度を大学別にランク化し(正確に言えば学部学科も考慮しなければならない)、表にしたものの中で、最も下位に位置し、はっきり言えばお金を払えば入れる大学、という意味がある。

 ランキングはAからはじまりFで終わる。6段階の一番下だ。ネットで検索すると確かに大手予備校の作成した偏差値ランクが乗っており、偏差値の数字で表したものと、このA~Fに分けたものが散見される。

 筆者は明治大学を卒業したあと商社に勤務し、働きながら博士号を取り、5年間非常勤講師で大学で教鞭を執って、今年からベンチャーを立ち上げて、大学に勤務していたときの5年間を振り返ってこの書物を書いている。

 Fランクの大学では、教室は崩壊して私語が絶えず、飲み食いは当たり前でモップが教員に飛んできたりする。単位を落とすと親がクレームに来る。大学経営もかなりいい加減で「面倒見の良い大学」などと称して中学生並みにああしろこうしろと指示をしたり・・・・。

 少子化の上に大学が増えすぎてこういった現象が起きていると言うことだが、4年生大学進学率は50%を超えているのだが、これでも先進国の中では決して高いわけではないとのこと。下の表は文部科学省から拝借したもので、もっと大学進学率を上げるべきだとの主張を文科省は主張している。

 ただ、大学入学時の年齢の平均が27歳くらいになっている国が多い。留学なのか、社会人が再び学ぶのか?通信制なのか?日本で言うところの専門学校にあたるものが大学に相当するのか?日本でも今や専門学校的な大学が増えている。看護、保育、理学療法etc

 ただ、この本に不満が2つある。1つはFランクの大学に通った学生のその後の追跡調査が書かれていない。また、大学進学率が非常に高い国の経営、学生たちの学費、そしてその後の就職は?収入は?

 日曜日に、イギリスの黒人女性が大学院にまで出たものの仕事がないという現象の紹介をしていた。世界的に高学歴でも仕事がないらしい。グローバル化。非専門職の非正規化。コンピュータの普及。一部の勝ち組と多くの負け組・・・。貧富の格差の拡大。

 日本でも6人に1人の子どもが貧困のもとに置かれている。そしてFランクの大学に行くために、国は「日本学生支援機構」というものを使って巨額のお金を貸し付けている。(最高600万円くらい)不良債権化する可能性が高いが・・・やがて公的資金で救って欲しい・・・。

 

 

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