フランスの経済学者、トマ・ピケティの話題の著書。または議論を呼ぶ著書、とも言えるのだが、なんと6000円。まだ、古本屋に出るほど時間が経っていないので新しいものを買うほかない。アマゾンと楽天で比較したが、ポイントの分楽天の方が安くて、そちらで買った。
ともかくフランスの学者と言えば、デリダもドゥルーズも、そのほかの哲学者もみなマルキストで、ユダヤ人だったりする。この人物はそうではないようだが、フランスでは社会党を支持しているようだ。
アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)で教鞭を執っていたこともあるという。
まあ、ISILの事件をみれば、格差の問題はもはや世界的な課題になっている。しかし、日本がそれを意識したのは、バブルがはじけて、阪神大震災が起こって以降だろう。この頃から生活保護が増え始め、若者の就職難が増え始めた。そして日本では、NO1よりオンリーワンなどと言って、個性重視の教育を始めたところ、やりたくないことはやらない、といった考え方が若者に広がり、フリーター、ニートが増え始めた。
非正規労働にブラック企業、こんなことが話題になったのは小泉竹中ラインの改革からだ。竹中氏など、正社員がなくなれば良い。みんな非正規になれば良い、と言っている。確かに極端だが筋は通っている。しかし、人間は彼のように才能豊かな人ばかりではない。将来の安定を当然求める。そうしないと逆に精神的な病、肉体的な病、そして暴力などの犯罪が増えるコストがあるだろう。
現に、日本史を見ても、貧富の差が拡大した江戸後期には、百姓一揆などが増え、やくざが誕生し、仕舞いには明治維新が起きた。
まだ読んでいないが、グローバリズムの影響は世界の隅々まで行き渡り、多くのインテリの興味を引く内容になっただろう。何しろ、「文明の衝突」は政治、宗教の視点から世界の政治を見て、「21世紀の資本」はまた違った視点で世界を見ることが出来そうだ。