映画「ハンナ・アーレント」と原発事故(日) | 柴犬カン、福の日記

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 昨年のキネマ旬報3位の「ハンナ・アーレント」を見た。難しい映画。この名の女性はドイツからアメリカに逃げたユダヤ人哲学者。

 彼女はフランスの収容所に一度は入れられたが、アメリカに夫とともに逃げた。ナチスに追われて。ユダヤ人は600万人殺されたと、一応史実として認定されている。この数は増えもしなければ減りもしない。被害者のユダヤ人がそう言うのだから。

 この数は、南京虐殺があったとする中国の主張による30万人の20倍。広島の原爆被害の20万人の30倍。第2次大戦の日本人の死者、300万人の2倍。

 ハンナ・アーレントはアイヒマンが逃亡先から発見され、裁判にかけられたときに、アイヒマンはただ役人として命令を実行しただけであると主張した。そしてそれは利己的な罪より重大な人類に対する罪であると主張した。それは収容所のユダヤ人から考える能力を失わせ、存在そのもの、生きることそのものの意味を失わせることだった。それはユダヤ人だけでなく、他の民族も同じ人類として、人類にたいする罪だとしたのである。

 この哲学的な思考は他の一般人には受け入れられることなく、特にユダヤ人からは否定された。アイヒマンを擁護しているとして。

 今、福島の原発事故の検証番組を行っている。福島の事故の原因は何か。誰が悪いのか?と犯人捜しをするのも難しい。何しろアメリカのGEの作った原発。アメリカにも責任があるだろう。放水が先だったのか、電源の復旧が先なのか。指揮命令系統の問題。いろいろあって、時の権力者によって犯人は決められるのだろう。