結果を聞きに

病院に入る

 

もう

すっかり

忘れてしまったけど

多分

名前を呼ばれるまでの間

待合室で

一人ドキドキしてたんだと思う

 

一人で行った私は

呼ばれて

一人で診察室へ

 

前回と同じ先生

 

何か私の中では

評判のいいと言われていた

先生に当たらずで

話し方も

大丈夫なの?

って感じだったから

かなり

怪しんでいた

 

結果

「乳癌です」

とは言われず

「悪性でした」

との先生の言葉

 

何となく覚悟はしていたものの

やっぱり

目の前が暗くなると言うか

何で私が?と

良くテレビで観る

中国の高層ビルやらが

崩れていく

あの感じが

私の中でも起きていた

 

そして

 

「私は家系に乳癌の人は

 いないんですけど」

「私は胸が大きいわけじゃ

 ないんですけど」

「私は欧米の食事を

 してないんですけど」

 

私の持っていた

乳癌になりやすい人の

知識を全て出し尽くし

先生に詰め寄った

 

先生は言った

「それが分かれば

 防ぐことが出来るんだけどね」

 

あまりに

私が落ち込んでいたのを

心配したのか

 

「大丈夫かい?

 今にも倒れそうだなぁ」

と声を掛けてくれた

 

そして

先生は落ち着いて

 

「検査をしてみないと

 分からないけど

 今の状態から見ると・・・」

 

と進行度と生存率の

紙を見せながら

 

「進行としては

 ステージⅠだと思う。

 10年生存率が・・・」

 

確かその当時は

90数パーセントだったかなぁ?

 

でも

その時の私には

そんな事は

全く頭に入らず

92%だったら

残りの8%はどうなの?

ってなぐらいで

悪い方にしか

考えられなかった

 

そして

以前のブログに

書いたように

先生が

「勝つと思うよ」

と言ってくれた

 

外の晴れ渡った

天気とは裏腹に

私の気持ちは

雷がただ

ビリビリビリビリ

ドーン ドーンと

鳴っては

大雨を降らしている

そんな感じで

 

先生の言葉は

全て

耳には入ってくるけど

考えたりできる

状態ではなかった

 

それで

手術の事もあるので

過去の病歴など聞かれたのだけど

私はWPW症候群と言う

先天性の心臓の疾患があって

それを手術して

治していたので

その話をしたら

 

先生は

そのWPW症候群に

食いついてしまって

 

「WPW症候群って

 医者の試験とかで 

 よく出るけど

 WPW症候群の人を

 僕は初めて見た」

 

と何だか喜んでるしガーン

 

私はそんなところではない!!

 

益々信じられない

 

でも結局

先生は

「どこの病院で

 手術したの?」

 

私「○○病院です」

 

先生

「ここの病院には

 循環器科がないから

 危険を冒してまでも

 この病院でやる必要はないと思う。

 僕の先輩が○○病院にいるから

 紹介状とこっちで検査した

 レントゲン写真とかすべて持たせるから

 それを持って

 そっちで手術をした方がいい」

 

と言ってくれた

 

1つでも多く手術の件数を

増やしてって

何が何でも

自分の所でやるって

先生や病院が多い中

なかなか

他の病院に手術を

譲ると言うか

紹介してくれる先生は

とっても珍しいと思う

 

ましてや

そこの病院は

乳腺専門の病院だったし・・・

 

 

そして

この時初めて

この先生が

いい先生だったのだと

気付いた

 

こんな先生

なかなかいない

 

WPW症候群だって

治したんだから

自分の所で

って

思う先生もいると思う

 

でも

何より

私の命を

優先してくれた

そんな気がして

私は

「ありがとうございました」

と言いたい先生の一人

だって思ってる

 

あと

家族にも説明したいので

一緒に来て欲しいと言われたので

母が退院しているだろう日に

一緒に来ることになった

 

この日

家に帰ると

祖母が

何やら言ってくるので

凄く腹が立った

“何で人がこんな大変な時に

呑気にそんな事言ってくるの?”

 

いつもなら

腹も立たないような事を

私は

流すことも出来なかった

 

そして

とった行動は

ゴミ箱を

思い切り蹴飛ばす

と言う事だった

 

“死ぬかもしれない”

 

人はやっぱり弱いから

その恐怖に

耐える場面を

平静に装う事は

本当に難しいと思う

 

少なくとも

その時の私は

本当に弱かった

 

祖母に

打ち明けられたら

きっと

また違ったのかもしれない

 

何でそんなに

怒ってるんだ?って

思ったであろう祖母

 

蹴飛ばされて

痛かったであろう

ゴミ箱

 

ごめん

って今

凄く思う

 

 

つづく