映画【告白】は面白かったですか? | 日々のお得

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読書ラブ。くせに、読み終わると内容を何にも覚えていないことに脱力の日々。。

ちょっと前の話題なのかもしれないが、映画【告白】が公開3週目で興行収入15.5憶円のヒットということだ。今週末には20億円に届く予測とのこと。
話題になるだいぶ前に本を読んでいたが、こんなにヒットしているとは驚きだ。
そんなにCMも打っていないこの作品が。
暗くて、救いようのない、内容なのに。
主要人物に善人も存在しないはず。
(先生の旦那さん(元婚約者?)は善人。ただ、小説には直接登場しない。)

「面白かった」とか言っている人は、今、どんな感情でそんな言葉を発しているのだろう?
いえ、私ももちろん、「面白かった」のです。
でもそれは、いわゆる、「欠損の喜び」「恥知らずの喜び」と言われているもの、シャーデンフロイデからだ。
「他人の不幸はなんでこんなに楽しいんだろう」という感情からだ。たぶん。

【告白】の、どの主要登場人物も、一歩間違えば自分も足を踏み入れてしまう人間の悪癖をあからさまに出している。

・執拗に復讐を画策し、実行する。
・馬鹿にされたら馬鹿にしかえす。
・多数派は正義。
・愛しているものの「本当」の姿を見ない。
・自分の都合のいいように考える。うぬぼれ。

あーあ、と顔をしかめてしまうのは、どれも自分自身にある要素だからだ。
どのポイントでも、自分が登場人物になってしまう可能性がありそうだ。
だからこそ、自分の心の奥底にある暗い感情を具現化して、好き勝手にやっている人が懲らしめられると「面白い」。
そういう意味では何度もスカッとする作品なのである。

だから、あんまりこの作品が「面白かったよ~」なんてさわやかに話題に上がってほしくないんだけれどな。
この作品の「面白さ」と、最後のモヤモヤ感は明らかに、ざまみろっていうのが自分の中で快い感情っていうのを認めたことになるからだ。