先日、昨年から体調悪化が伝えられていた叔父の葬儀がありました。
新年からの色々な緊張に疲労が加わり、少し疲れが。
気分転換と癒しを求めて、美術館へ行ってきました。

SOMPO美術館
『ゴッホと静物画 伝統から革新へ』


折しもゴッホ生誕170年。
ゴッホはわずか10年という短い画業(27歳から37歳)で、油彩だけでも約850点を残しています。
そのうちの190点近くが静物画なのだそう。

受付を済ませ、係の方がアナウンス。
『NO PHOTO』と表示がある作品以外はスマホ撮影が許されているとのこと。
出品は69点(内ゴッホ25点)
有り難いです。

展示室は3階〜5階。
各階はテーマごとに作品が紹介されています。
日時指定されているため、混雑することなくスムーズに進めました。

スタートは5階。
●伝統―17世紀から19世紀
静物画が絵画の分野で確立する17世紀。オランダ(ゴッホの母国)では身の回りの品を描いた作品が人気に。
19世紀後半、ゴッホは画家になる決意を固め、絵画の技法を習得するために静物画を手がけた。



鳥の巣 1885年
33.5×50.5cm

激しい筆づかいは見当たりませんが、
とても渋くて、味わい深い。

4階フロア
●花の静物画―「ひまわり」をめぐって
ゴッホは33歳でパリに移住。花の静物画に本格的に取り組む。
2年後にアルルに移り、「ひまわり」7点を制作する。
代表作は4番目。
背景を薄いブルーから黄に改め、
ひまわりを13本から15本に増やした。 
(ロンドン、ナショナル・ギャラリー蔵)

SOMPO美術館の作品は、ひまわりの季節が終わり、4番目をもとにして描いたそうです。

会場には《ひまわり》と《アイリス》が並んで展示されていて、大きさと迫力に驚かされました。


1888年 100.5×76.5cm


1890年 92.7×73.9cm

人垣が凄く、スマホ撮影会状態でした。



野牡丹とばらのある静物
1886年-87年 100×80cm

前2作ほどメジャーではないものの、この作品も素晴らしい。

3階フロア
●革新―19世紀から20世紀
19世紀後半はポスト印象派(ゴッホもその一人)の登場。
見たままに描くのではなく、自分の感情を取り入れている。
色や構図などが特徴的で、ゴッホも色彩を自由に組み合せて、表現力を高めた。

やはりゴッホといえばゴーギャン。


ばらと彫像のある静物
1889年 73.2×54.5cm

ばらに背中を向けた裸婦(彫像もゴーギャン作だそう)
ゴッホとの決別から1年。華やかさが少ない感じがします。

最後は、ゴッホ。


靴 1886年 37.5×45.5cm

ボロボロの質感が、心を惹きつける。
ゴッホ自身の人生を表現している?
あるいは、弟テオと自分なのか?
傑作の一つだと思います。

ゴッホ作品は、個人的には風景画の『麦畑』や『夜のカフェテラス』が推し(配色が素晴らしい)です。
しかし、それらを描く原点となった静物画にも、優れた作品が沢山ありました。
著名な画家の作品も集められた豪華な展覧会。
とても良かったです。


柴犬ポチ🐶