医師に対する大腸がん薬物療法に関するアンケート調査の結果が、
日経メディカルオンライン (12月3日付)
に掲載されていたので、一部を抜粋しました。
切除不能・再発大腸がんの治療にあたる消化器内科、外科、腫瘍内科医ら449名の回答です。

●RAS遺伝子/BRAF遺伝子が野生型の1次治療
①原発巣が右側の切除不能・進行大腸がん
(多い順に)
・FOLFOX+ベバシズマブ…35.9%
・オキサリプラチンベース化学療法のみ…13.8%
・CAPOX+ベバシズマブ…11.6%

②原発巣が左側の切除不能・進行大腸がん
・FOLFOX+抗EGFR抗体…35.4%
・FOLFOX+ベバシズマブ…18.0%

※右側…盲腸、上行結腸、横行結腸。
   左側…下行結腸、S状結腸、直腸。

● BRAF遺伝子変異型の切除不能・進行大腸がんの1次治療 
・ FOLFOX+ベバシズマブ…33.0% 
・ FOLFOXIRI+ベバシズマブ…24.5% 
・ CAPOX+ベバシズマブ…8.9%  

設問「1stラインで化学療法を行い、腫瘍増悪が認められた際の2ndラインのレジメンを、以下から一つ選んでください」
・エンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブ…17.1%
・ エンコラフェニブ+セツキシマブ…3.6%
・ FOLFIRI+ベバシズマブ…14.5% 
等。

2021年11月に2次治療として、 エンコラフェニブを含む3剤併用、2剤併用が承認された。しかし、新しい治療を選択したのは、限定的だったという。
1次治療でベバシズマブベースの治療を選択した医師(363人)中、
2次治療で、この治療を選択したのは44.6%、
エンコラフェニブを含む治療の選択は24.2%
であった。

●3次治療前のRAS遺伝子再検査でリキッドバイオプシーが増加。
設問「RAS遺伝子野生患者に2ndライン化学療法を実施し、増悪が認められた場合に、再度、遺伝子検査を行いますか」
主にリキッドバイオブシーで行う…30.5%
昨年より10%以上増加。
(野生型から変異もあるようです)
①野生型だった場合の3次治療
・TAS-102+ベバシズマブ…20.3%
・イリノテカン+抗EGFR抗体(リチャレンジ)…12.0%

②野生型→変異型となった場合
・TAS-102+ベバシズマブ…28.7% 
・レゴラフェブのみ…17.1%

●NTRK融合遺伝子、がん遺伝子パネル検査のタイミングは3次治療前までが半数以上。
設問「NTRK融合遺伝子の検査を実施されるタイミングを以下から1つ選んでください」
・検査はしない…18.9%
・投薬できる標準的な薬剤がなくなったとき…17.9%
・3次治療前までに行う…54.6%

昨年に続くアンケートからわかったこと
・1stラインの治療薬は大事。
・野生型から変異型になること。
・検査のタイミングを逃さない。

新たに治療を始める方や医師の治療方針に悩んでいる場合など、少しでも参考になればと思います。



柴犬ポチ🐶