金曜日は通院日でした。
今回は複数診療。いつもの消化器外科(血液検査)の前に皮膚科受診。

いつの頃からか、腹部に多数のホクロができていたのだが、そのうち 2つがどんどん大きくなっている気がしている。

そんな話をしたところ、新しい主治医が皮膚科に予約を入れてくれました。

皮膚科では、症状や既往歴、服用中の薬についての確認。
腹部全体の目視と患部の実寸測定、拡大鏡カメラによる撮影。
既往歴
精巣腫瘍(41歳)
肺結核(42歳)…3ヶ月療養。
※いかにも厄年っぽい。
2016年7月S状結腸がん手術
2017年5月転移性肝がん手術
漢方薬、ザイロリック(尿酸値を下げる薬)。朧気な記憶ながらホクロは40歳位からできたようだ。

『ドクターX』の原先生似の皮膚科医師は腹部を診ながら、
○さんのこの細かく点在するのも、大きいのも脂漏性角化症。ホクロではなくイボです。
(えっ?これ全部?50個くらいあるぞ)
別名、老人性イボといわれるものです。
(…老人……)
レーザー・トレラー徴候といって多量に出現すると、内臓に悪性腫瘍が見つかることが多いんです。
発症は既往歴に関係しているかも知れない。遺伝性の場合もあります。 とのこと。

通常は患部を切除し病理診断で確定となるが、目視でわかる特徴があるそうだ。
年齢的には40歳過ぎに出現するらしい。
顔に出る場合もあり。患部が大きいと手術だが、液体窒息で段階的に取ることもある。

イボとホクロの違いだが。イボは表皮細胞。ホクロは簡単に言うとメラニン(色素を作る細胞)。
メラノーマ(悪性黒色腫)は、メラニンががん化するものだが。拡大鏡で見る限り、私のはそのパターンではなかった。

皮膚科が問題なく終わったので、本来の肝臓主治医の診察に向かう。
こちらも、血液検査は問題なし。
何かありますかというので一週間ほど風邪をひいたこと、右足が2日腫れたことを伝えた。(血液には何の反応もない)

それと前回確認依頼したキートルーダのMSI-H検査についての回答。
検査だけなら保険適用だそうだ。
必要な時期に出来ますと安心の言葉をいただいた。




6月2日(日)は日本対がん協会主催の
『ジャパンキャンサーサバイバーズディ2019
~あなたの「生きる」に寄り添う人がここにいる~』に行ってきました。

所用のため午前のみ参加だけでしたが、基調講演や30を越えるブースの出展を巡ってきました。
(今回はSNS発信OK。ホッとしました)

⚫️がんを体験したこころのケア
国立がん研究センター中央病院
精神腫瘍科長    清水研先生

1.  がんを体験した「こころ」の軌跡
2.  寄り添う心

がんに伴う様々なストレス(喪失体験)
・人生そのもの-死に至るまでの恐怖
・身体的苦痛…疼痛、倦怠感等
・機能障害…食事、排泄等
・ボディイメージ…乳房喪失、るい痩、脱毛等
・社会的苦痛…仕事や学業、人間関係

ひとつずつ考えることで、漠然とした怖れが理解できるものに変わる。

がん体験前の世界観
当たり前の日常。将来を見据えた生活。
  ↓    (衝撃的な出来事)
課題1
つらい考えや感情がめぐる。喪失と向き合う。
課題2
意味を考え、新たな世界観を見いだす。
↓(レジリエンス:バネのように戻る力)
新たな世界観

喪失と向き合うためには、寄り添って話を聴くこと。
・その人が何故悩んでいるか。
・常に相手の立場で考えるようにする。
(自分の思いを押しつけない)
言葉でいう程、簡単なことではない。
先生も余計なことだと、反省しながらやっているのだとか。

1990~2010年の間、40~69歳  102,843人について、自死者の割合を検証したところ、
がんではない人を「1」とすると、
がんに罹患して1年以内のひとは23.9。
がんに罹患して1年以上のひとは 1.1 という結果があるそうだ。
(国立がん研究センターの予防研究グループ調べ)
いかに、罹患直後の精神的な苦痛の酷さが分かると共に、「レジリエンス(可塑性)作用」の大きさも納得できる。 
感情に蓋をせず、自分のあり方を認めることができれば、レジリエンスを発揮できるのだ。

家族のストレス
・大きな喪失体験。
・第二の患者
・患者本人の気持ちを悪い方に想像しがち
・自らのケアを後回しにする方が多い
(本人の前では暗い顔をできない)

寄り添うことの難しさ
・必ず相手が心を開いてくれるわけではないし、開いた方がいいとは限らない。
・思うように寄り添えないこともある。
・すべての人に対して完璧な存在にはなれない。

自分を犠牲にしてはいけない。
自分も相手も大切にする。

思いやりを持って臨む心の治療。
大事なことを教えていただいた。


講演の前後にブースを一通り見て回る事ができた。
帰り際、「こころに寄り添う」コーナーがあり、思いの丈を色とりどりの風船の形の紙に書いて掲示してあったのだが、
一人のご婦人が、そのボードに貼られた紙を見ながら、声も出さず涙を流されていた。顔を近づけて、じっくりと1枚ずつ読んでいらした。
そんな1枚、1枚には本人、家族、友人の思いがしたためてある。
自分の病を見つめる思いや、不安や希望、
パートナーの快癒を祈るものや、参加者へのエール。病室で同じ病を抱えていた人との連絡が取れず心配する内容も。
自分もまた目で追いつつ、見ていたのだが、こころが揺さぶられてしまった。

一貫して、思いの溢れた会だったと思う。私も袖振り合った方々の快癒を願った1日を過ごし、なんだか背筋が伸びた気がしました。