こんばんは。
師走も後半に入り、なんとなく気忙しい空気感が漂っています。我が家では、ついにストーブを用意しました。

さて、先月より日経メディカルを購読しているのですが、12月号の別冊として、特別編集版『始めよう、がんロコモ対策』とありましたので、一部を紹介します。
(最近ウォーキングをしてない己への戒めの意味も含めて…)




「ロコモティブ・シンドロームは、運動器の障害により移動機能が低下した状態」で高齢者が介護に至る原因のひとつとされ、徐々に若年層からの予防の必要性が説かれてきました。

『がんロコモ』
定義:「がん」が影響し運動器が低下した状態のこと。
運動器は骨や筋肉、関節のほか、脊髄や神経が連携し、身体を動かす仕組み。

・がん患者の運動器に生じる問題 (3つ)
① がんそのもの(骨転移や原発悪性骨腫瘍)
② 治療過程における筋力低下や治療の副作用(骨粗しょう症や抹消神経障害等)
③ がんと併存する整形外科疾患(骨粗しょう症や変形性関節症)

がん患者の運動機能維持は治療継続に大変重要。しかし、がん専門医でない整形外科医は治療に参加できていない現状がある。

「日常診療に追われ、がん患者には他科から紹介されれば関わる」という消極的姿勢も…と、金沢大学整形外科主任教授   土屋弘行先生。

学会別の医師1人当たり外来患者数(2017年病院経営実態分析調査)によると、
・内科学会  8.3人
・外科学会  5人
・小児科学会  5.3人
・産婦人科学会  7.1人
・整形外科学会は11.5人と突出。
(内科より多いとは意外!)

また、キャンサーボードへの整形外科医の参加状況(2018年3月がん診療実態調査)
では、
がん診療連携拠点病院では「参加する」が18%、それ以外の施設では約6%にとどまっている。(「症例により参加する」割合を除く)
以前は骨転移に対する有効な治療法が殆んどなく、緩和治療に移行するのが主流だったと、土屋先生。

⚫️整形外科医が介入した骨転移症例
手術方法は転移数と予後に応じて検討。
1.  肝臓がん上腕骨転移に対する姑息的手術。
痛みで腕の動作が困難だったが、セメント挿入およびプレート固定を行い、腕の上げ下げを可能にした。

2.  腎がんの大腿骨転移に対する根治的手術。
がんを切除して人工骨頭に置換。杖歩行が可能になった。

脊髄転移に対しても同様。手術法を使い分け。「放射線療法などの治療選択もあり、どこまで手術適応とするかは、まだ議論がある」としながらも、金沢大学病院では、骨転移数が少なければ、根治的手術を先に考慮。腎がん、乳がん、前立腺がんといった比較的予後がよい骨転移も根治的手術を考慮しているのだとか。

⚫️骨転移の治療法(提供:順天堂大学整形外科准教授   高木辰哉先生)
① 鎮痛薬投与(経口・経静脈・皮下   NSAIDs・麻薬)
② 骨修飾薬投与(ゾレドロン酸・デノスマブ)
③ 抗がん剤(分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など)
④ ADL指導・装具療法
⑤ 放射線治療(外照射・内照射・Sr・Ra・IMRT)
⑥ IVR(セメント充填・塞栓・動注・RFA・凍結・ブロック)
⑦ 外科的治療(病巣切除および再建・内固定・MISt)

がん治療に、新しい風が吹いている。
従来にはなかった、整形外科医が他科の医師と連携をはかる仕組みは、病態が一人一人違う患者の症例に対応でき、実際にQOLを上げる形で治癒を目指すことが可能なのではないかと思える。
この仕組みが全国に広まることを願いたい。


目標設定は小さくて構わないようです。
日常生活に取り入れて毎日続けることが大切とのこと。


昨日、以前受講した「Walk Again 2018  再生医療最前線」の事務局、日本せきずい基金から、冊子が届いた。
そこには、慶応義塾大学が『iPS細胞で世界初の脊髄損傷治療 臨床研究計画を学内承認』とありました。申請が認可されれば、2019年早々にも臨床試験が始まりそうです。






柴犬ポチ🐶