こんばんは。
彼岸に入り、涼しいというよりは、肌寒い日が続いています。かと思うと今日の昼間はかなり暑かった。
気温の変動が激しいと体調管理も大変です。 通勤電車の中でも咳をするひとが急増しています。 

さて、鎌倉切り通し散策が終了し、もうひとつの課題「医療講座への積極参加」を進めていきたいと思っています。
(こちらは「11月がん撲滅サミット」がゴール)

昨日は、市民公開講座『血液がんを学ぶ』に参加してきました。
場所は、秋葉原UDX。


⚫️『多発性骨髄腫について』
大阪大学大学院医学系研究科
血液・腫瘍内科  准教授   柴山浩彦先生

多発性骨髄腫とは、血液細胞の形質細胞(Bリンパ球からできる)ががん化。
これが、役に立たない抗体(Mタンパク)を作りだし、様々な症状を引き起こす。
症状について
1.   貧血…ヘモグロビン11以下で症候性貧血。8未満で輸血が必要。正常値12~16g/dl。

2.   骨病変…腰痛や骨折、足の痺れ。

3.   腎障害…血清クレアチニン2以上で腎不全。正常値1.2mg/dl。
他に、感染症や高カルシウム血症。

症候性(症状がある)多発性骨髄腫の前段階には、
1.   MGUS(Mガス)
単にMタンパクが出ているだけで症状なし。
2.   くすぶり型骨髄腫
骨髄腫細胞の割合が10%以上。
ともに、無症状であるため副作用の強い抗がん剤治療はしない。

治療目標
・治癒:からだの中の骨髄腫細胞を撲滅し、発病前の状態に戻す。
・腫瘍コントロール:骨髄腫細胞は体の中に残っているが、増えない状態にする。
・症状コントロール:症状を取り除く対症療法中心。

治療方法
・自己造血幹細胞移植(自家移植)
抗がん剤投与後、減少した白血球を増やす薬を投与。造血幹細胞が増えた血液を摂取し、凍結保存させる。大量の化学療法を行った後に、予め保管してた造血幹細胞を体へ戻す。

・治療薬
1.   プロテアソーム阻害剤
ボルテゾミブ、イキサゾミブ
2.   免疫調節剤
サリドマイド、レナリドミド
※再発・難治性となった場合の薬(2015年以降に承認)
ポマリドミド、パノビノスタット、カルフィルゾミブ
3.   抗体薬
エロツズマブ(2016年9月承認)、ダラツムマブ(2017年9月承認)
※ 悪性リンパ腫に使われるリツキサンと同じ作用。
プロテアソーム阻害剤などは、骨髄腫細胞の中に入って作用するが、がん細胞の外側から攻撃を仕掛けるしくみ。骨髄腫細胞の表面に現れている分子を認識する抗体薬であり、それをシグナルにNK細胞が活性化し攻撃する。


⚫️『急性リンパ性白血病~動き始めた新しい治療』
東京大学医科学研究所  分子療法分野
東條有伸先生

多発性骨髄腫と同じリンパ球系列だが、もっと若い未熟な段階でがん化した疾病。
白血病は大別すると、「骨髄性」と「リンパ性(B細胞系・T細胞系)」があり、それぞれに「急性」と「慢性」がある。

白血病の頻度と発症年齢
・急性骨髄性白血病(AML)56%
    40代~70代ピーク
・急性リンパ性白血病(ALL)19%
    幼児期に多いが、40代以降も。

化学療法は、まず抗がん剤を多剤併用して行う完解導入療法。その後リスク因子に基づき地固め療法や維持療法を行う。
リスクは3分類(高・中・低)に分けられるが、小児、AYA世代および成人によって微妙に違う。
ただ、どちらにもフィラデルフィア(Ph)染色体の有無が治療方針に関係。
・Ph陽性…抗がん剤+分子標的薬
・Ph陰性…若年者は、小児使用の抗がん剤。非若年者は、完解導入療法。

ALLの場合、化学療法だけでの治癒は少ない。
根治を目指すなら、造血幹細胞移植(同種造血幹細胞移植)を行う。
ちなみに、第一寛解期で行った場合が成績がよく、再発後の第二寛解期、非寛解期と後に行くほど厳しくなる。

新たな治療の選択肢として『抗体療法』がある。おおまかに2つ。
・補体依存性細胞融解(CDC)
抗体と補体(たんぱく質の一種)がくっつくことでがん細胞が溶ける。
・抗体依存性細胞障害(ADCC)
がん細胞に結合した抗体にNK細胞などが集まり、サイトカインを放出、死滅させる。

ここから先、かなり掘り下げた説明がありましたが、残念ながらキャパオーバー…。メモできませんでした。

今回のまとめとして、
1.  分子標的薬や抗体医療が次々に登場。
2.  新たな免疫療法への期待
(BiTE抗体、薬剤結合型抗体、CAR-T療法…など)
3.  臨床シークエンスの治療現場への導入

現在は登場してない治療でも、海外では治験が始まっているものも多い。1日も早く承認される日を信じていこう、そんな印象を受けました。

次回、開催予定を画像アップして置きます。悪性リンパ腫について情報交換があるようです。



私自身は大腸がん肝転移経過観察中ですが、他のがん種についての講座にも、今後とも参加させていただくつもりです。得るものは多くあり、知ることは力になると思っています。

なかなかに難しく、お伝えするのに力不足な感は否めない…。

明日は十五夜。
月に願いをこめて。
皆様にパワーが届きますように。



柴犬ポチ🐶