こんばんは。
今年は桜が咲いてから晴れの日が続き、
長い間花を楽しめています。




今週は、血液検査がありました。
今回は肝転移術後10ヶ月です。 
奥さんは眼科で治療のため、はじめての独り診察。

結果は問題なしでした。

数値                12/15          2/7        今回

CEA                   3.3             3.2           3.4
CA-19-9              5                5               5
好中球数        1430         1810        1400

主治医との話も特に目新しいものはありません。ただ少し風邪気味だったせいか好中球が少なかった。
次回は、2ヶ月後にCT検査。
丁度、肝臓手術から 1年になります。


1年前の今頃は、転移が見つかり、花見をしても憂うつだった。
仕事こそ行ったが、休日はふて寝。
外出も殆どなく、TSUTAYAでDVDを借りたりしていた。
気分を反映してか暗めの作品が多かったが、そのなかの1本に『タイタニック』があったのを思い出し、先日また借りてきて、久しぶりに観た。

今から20年前の1997年公開。
結婚後10年目に初めて奥さんと観た思い出の映画。

1912年におきた英国豪華客船タイタニック号沈没事故は、乗員乗客合わせて2200名。
そのうちの、生存者は救命ボートで避難した約700名。

残りの1500名が沈没時、海に放り出され、僅か6名が救出されたに過ぎない。

周りには20隻のボートがあったが、1隻だけしか戻らなかったという。

登場人物は、主人公を除き全て実在。
その中で、私にとって印象に残るひとりの人物がいる。

ウォレス・ハートリー。
タイタニック号の楽士団でバントマスター兼ヴァイオリニスト。
最後まで己を失わず、周囲に気を配る。

彼は沈没寸前まで乗客がパニックになるのを抑えるためにデッキで仲間とともに明るく陽気な曲目を演奏する。

『ホフマンの舟歌』
『天国と地獄』
『美しく青きドナウ』など…

沈没に至る騒ぎの中、華やかな音楽が奏でられる。 

恐怖で泣きじゃくる幼い子供。

それを優しく諭す母親。

ボートに乗せた娘に後で必ず迎えにいくと約束する父親。

ベッドで寄り添い最期を迎える老夫婦。

同時刻の、様々な人びとの様々な人生が冷酷に映される。 

ハートリーは、いよいよという時に演奏を終え、仲間に解散を促した後も、自らはその場でヴァイオリンを弾きはじめる。
すると、去りかけた仲間たちも再び集って演奏に加わる。

最期の曲『主よ、御許に近づかん』の弦の響きが何とも言えず、

悲しく切ない……。


そして、主人公のジャックが恋人に最期に言った言葉がある。

たとえ何があっても。
すべての望みがたたれても。
生きると約束してほしい。
けっして諦めてはいけない。

自分の意識が徐々に薄れていくなかで、
愛するひとを勇気づけたい一心で出た言葉。

ジェームズ・キャメロン監督は、海底に眠るタイタニック号のドキュメンタリーも撮っている。映画の方は亡くなられた方への鎮魂と、事故後強く生きた方の再生を伝えたかったのではなかろうか。

何度も観た作品であったのだが、
今回もまた食い入るように鑑賞した。
置かれている状況で、思うことは違うとは思うが、

健康であろうと、
若かろうと、
夢があろうと、
愛するひとがいても、
金があっても、

明日はわからない。

新天地を夢見ていた主人公ジャックが、
波間を漂いながらも最後まで諦めるなとローズを励まし続けたように、

どんな明日であろうと、心穏やかに前を向ける自分でありたいと改めて思う。


ところで、奥さんの眼は、硝子体に新生血管ができて視野欠損、ひいては失明の恐れがあるため、VEGF抗体阻害薬(アバスチンと同じ作用)を眼球に注射した。
一度できた新生血管は、治らない。
進行を食い止めるだけだそうだ。
一度で落ち着く場合もあるが、定期的に治療をしなければならない場合もある。
完全な治療方法がないとの話なので、
今後セカンドオピニオンを考えなくてはいけないかも。

遅まきではあるが、今回の件で、患者家族の気持ちを察することになった。
自分の事では思わないのだが、
病によい観音様にお願いしたい気持ちにすらなる。

良くなってくれるといい…。






柴犬ポチ🐶