こんばんは。
2月もそろそろ終わり。
今日はかなり暖かい日でした。

今週も通院日はダブルヘッダー。
午前は整形外科。
そろそろ傷も塞がり、医師からは歩く練習をはじめても良いお許しをいただき、一安心。
そして午後は、かかりつけ病院で遺伝子検査(MSK-IMPACT)について消化器内科の先生の外来を受診しました。



MSK-IMPACTとは、
米国MSKがんセンターが開発したがん遺伝子検査のことで468個の遺伝子を一度に検査できる。目的はがん遺伝子変異に伴う薬剤の発見。信頼性が高い。
そして国内での最大数の遺伝子検査。
現在3つの大学(横浜市大、順天堂大、東北大)が行っている。


まず先生から内容を大まかにレクチャを受けました。
その後、冊子の記載内容について質問。

Q.MSK-IMPACTデータベースには『遺伝子変異に対応した薬剤を段階的に分類』とあるが、何を示すか?

A.この検査では468個の遺伝子を調べる。
⚫️変異している遺伝子
⚫️その遺伝子の変異の位置
の2点を完全に合致させて検査結果を出す。
現在のところ、米国の研究に沿って確認されているのは、4段階表記で77個。
LEVEL-4 はまだ動物実験段階で 28個。
LEVEL-3 は臨床治験段階で、24個。
LEVEL-2 と LEVEL-1 は、承認され、現在の日本でも標準治療にも使用できる薬。
現状では、25個の遺伝子が一致している。(2017年8月時点)
但し、MSK-IMPACTのデータベースは常に更新されていくので、今後新たに治療薬に向けられる遺伝子がでてくる可能性は高い。

Q.この検査で、抗がん剤への適合性がわかる?

A.大腸がんの場合、RAS遺伝子に変異があると抗EGFR抗体薬(セツキシマブ等)が効かないなどが知られる。BRAF遺伝子も同様。

Q.大腸がんにおけるオプジーボの有効性は?

A.大腸部位ではなく、遺伝子変異の数が多い方が免疫細胞が見つけやすいので攻撃しやすい。

Q.検査で新しい薬剤が見つかっても保険外診療というのは?

A.例えば、遺伝子変異が大腸がんと肺がんで同一であった場合、肺がんでは保険適用されている薬を大腸がん患者に使おうとしても、未承認という現実がある。

Q.保険外なら高額であり、これをやれば混合診療となるため、副作用が生じた場合を含め、全額自費負担となる?

A.費用面は薬剤だけで月約30~100万。外来にかかる費用は別に10割になる。

Q.検体の有効期間は術後2年間とあるが?

A.検体の年数は4年間位大丈夫。
しかし、○○さん(私)の場合、別の問題がある。検体が過固定になっているので検査が難しい。細胞を保存させるのにホルマリンに浸ける(固定という)が、長時間だとDNAに不具合が生じる。できれば3日以内が望ましい。
しかし今までは病理の観点からも肝臓など消化器の場合、長時間に渡り浸けることが多かった。2年前では仕方ないこと。

Q.リキッドバイオプシー(血液による生体検査)の可能性は?

A.がん由来のDNAを血液から採取する方法は現在、研究段階。採取量が僅か数%であり、それが腫瘍細胞の由来になっているかはっきりしてない。後1~2年で結果が出るのではないか。


MSK-IMPACTにより、新たな薬剤が判明する確率は10%程度だという。加えて、費用が高額という問題がある。
4月に向け、先進医療に向けた新たな取り組みも、現場と行政の間にシステム的にまだ上手く進んでいないこともあるらしい。(しかし国立がんセンター中央病院では4月に300人の一斉検査をするとの情報もある)

最後に先生に私の立場ならやりますか?と、聞いてみた。
私の立場、というのは、
上記に書いた通り、ホルマリンに浸かりすぎていて、検査しても結果がでないかもしれない、という件だ。

すると、
「私は超推進派ということもありますが」と前置きしたあと、

「うーん…。勿論やりますよ。
だって、可能性はほんの僅かだけどありますし。それで検査ができれば新たな薬が見つかる可能性が10%もある」

でも、検査結果がでなくても検査費用は発生しちゃうんですよね…と付け加えた。


確かに、完全に適応する薬が
10%の人しか見つからない   と言うのと
10%の人が見つけられる   と言うのでは、
印象がまるで違う。

しかし、やはり難しい。
今回、私は自分の検体では結果がでない可能性が大きいと言われ諦めたが、もし検査ができたとしても、
保険適用されていない薬を続ける力があるだろうか、とも思う。
勿論、金額の問題ではないのだが。




今後、当たり前のように検体が遺伝子検査に回され、適合する薬が処方されるようになるのは、どれくらい先になるのか。


早くそんな時代になって欲しい。


柴犬ポチ🐶