気のせいなのかなあ。

近頃、MCやアナウンサーで、「目を無理やり見開いて」しゃべり続ける人が、目立つ。役者にもいる。それが特徴になっている博多華丸さんほどじゃないから、意識していないと、わからないかもしれないけれど。

 

僕らの世代では、そうした表情は「目を剝く(むく)」と言われた。

ワード検索では、病気のいち症状としてヒットするものが多いけれど、ここでは「一般の人の、「意識に基づく不自然な目の開き方」」を指すことにする。

 

「そんな顔つき、やめなさい!」

「目を剥く」と、僕らは叱られたり、いさめられたりした。

不自然な表情が、相手に不安を抱かせる、ことによると威嚇にさえなるからだろう。

 

MCたちのそれは、視聴者を不安に陥れるほどのものではないし、彼ら/彼女らは、番組のあいだじゅう目を剥いているわけではない。

「引き」でテレビに映っているときには、普通の顔で微笑みをたたえている。

 

でも、カメラが「寄り」、自分がメインでしゃべる段になると、表情が変わる。

目を大きくしてしゃべり始める。目から額にかけて力を入れ、顔全体を張った感じにして、何分も…。それが、気になってしかたない。人によっては、表情が怖いし。

 

きれいに見えるテクニック、なのかも、と好意的に考えたりもした。目の上に力を入れれば、しわは伸びるし、目もくっきりする。長くアップに抜かれる人の意識としては、あるかもしれない。

 

それでも、不自然なことが何によらず好きでない僕には、気になるのだ。

 

 

小島瑠璃子の「目を見開く」しぐさが、話題になったことがあった。

ワイドショウや、トーク番組に引っ張りだこだった頃の話だ。

 

あるとき、キンタロー。が、「小島は嘘をつくときに目を見開く」というネタを披露した。それを見た視聴者が、その後のトーク番組での小島の「見開き」を指摘し、「小島の嘘を見抜こうブーム」のようなものが起こった。

ある芸人の奥さんは年齢よりずっと若く見える、と発言したときの小島は、目を見開いていたから、あれは心にもない嘘にちがいない…、とか。

 

きっと彼らは、小島のビデオを何度もスロー再生して、表情を検証したんだろう。

小島のような「瞬間的に、目を見開く」表情なら、ビデオを見返すのも楽しいかもしれない。

 

でも、アップで抜かれているあいだじゅう、目をむいて話しているMCの表情は、ちょっと…。ずっとスローで見ていたら、1時間くらい観察してなくちゃいけないかもしれないし。

一生懸命話そうとして目が大きくなっちゃう西川きよしさんの顔つきなら、お茶目だけれど。…それでもスローは、やだな。

 

若い人のブームではない。

むしろ30代から50代くらいの人に多いし、男も女もだ。世代的、性別的な何か、でもなさそうだ。ただ、アップでしゃべる機会の多い人、は共通項だ。

 

あれは、なんだろう?

もやもや、もやもや…。