デパートやショッピングモールなどで、洗面台のエアタオルが中止になったのは、なぜなのだろう? 「感染症のため」とは書いてあるけれど、なぜ「感染症の蔓延を防ぐためにエアタオルの使用を避けるのか」は書かれていない。

 

何度も目にして、なぜ? と思うのに、それについて調べたことはない。帰宅するまでに忘れてしまう。そして家では思い出さない。テレビでたまたまその理由を解説している場面に出くわしたこともない。

 

市井では相変わらずその状態が続いているけれど、8月13日に、国立感染症研究所の入った病院を訪れたら、エアタオルを使用できた。もちろんこの病院でも、以前は電源が抜かれていた。

 

病院は、新宿区にあり、おそらく敷地内のどこか、屋外のある区域で、PCR検査が行われている。新宿区の陽性率は20パーセントくらいだったか、もう少し高かったか。そして、検査を受ける人も多い。そんな一画のある病院内で、エアタオルの使用が再開された。

 

うちの病院は、感染症については一級品だから、院内には最低限のウイルスの侵入しか許していない。入場時に手指消毒を求め、体温検査だって完璧だ。ウイルスがないのだから、エアタオルの使用も問題もない。そのときには、そんなプライドを感じた。

 

空気中には、今やごちゃごちゃと感染症のウイルスがいる。エアタオルをつかって乾かそうとすると、空気でそのウイルスを手のひらに吹き付けてしまうことになってしまうから…。この期に及んでも調べていないけれど、それが、エアタオルを禁止した理由みたいに思える。

 

不特定多数が立ち寄るショッピングモールなどの場所では、だからこそ、いまだに禁止なのだろう。症状のある人、そして、俺は別にじじいじゃねえからと、マスクもせずに咳をするようなやからさえいることを前提にしているからではないか。

 

一方、病院は、入口で手指のアルコール消毒を必ず求めるし、発熱検査もするから、基本的にウイルスは防げているのだ、と胸を張っているということだろうか。無症状者はしかたない? まあ、インフルエンザの季節には病院に入る際のチェックはないから、インフルエンザと同じ程度の感染力までは侵入を許しても…、という考え方なのかもしれない。

 

国立感染症研究所の入った病院を訪れた数日後、ほかの区のリハビリ病院に弟を見舞った。ここでも入口でのチェックは厳重だったけれど、エアタオルは解禁されていた。もう多くの病院で同じなのだろう。

 

マスコミには、こういうことも報道してほしい。「なぜ?」も含めて。

どうやら、「プライド」ではなく、科学的な根拠から解禁にしたようだし。