名前を忘れていた「シャービック」にどうにか出会うことはできたけれど、昔みたいに、当たり前のように家に製氷皿があるわけでもないので、「シャービック」はつくらずじまいだった。でも、シャービックのおかげで、時代環境が激変したことを再認識できたのだった、というのが前回のあらすじです。

 

シャービックは、まだ食べていない。もう30年は食べていないかもしれない。

でも、最近、「わふーちぇ」という「自分でつくるデザート」を食べた。4か月くらい前に目に留まって買っておいた「フルーチェ」シリーズの商品。和風テイストで、黒蜜きなこ味。

 

非常事態宣言以来、市販のデザートが家に何もない日が増えている。

その日も、夜のデザートに何か買ってこないと、と考えていたときに、ストッカーに置きっ放しで忘れていた「わふーちぇ」を発見。賞味期限も近いから、その晩のデザートにと妻がつくった。

 

わふーちぇのもとに牛乳を加えて、かきまぜれば、黒蜜きなこのぷるぷるデザートのでき上がり。冷蔵庫で10分冷やすと、さらにぷるぷる…。

 

簡単でいいや。しかも妻でもつくれる。

 

3か月前までは、冷蔵庫に何かしらのデザートがつねにあった。スーパーで買い物をする際に、その日安く売っているヨーグルトやプリンやアイスをとりあえず買っておいて、その夜の気分に合わせて、冷蔵庫から選び出していたから。

 

でも非常事態宣言以来、この辺のスーパーは、ほとんど安売りをしなくなった。しても値引き幅がとても小さく、この値段ならいらない、とやっているうちに、冷蔵庫からデザートが消えた。

デザートに悩み、その日の分だけを買ったり買わなかったりとうい日々が続いていた。でも、毎日のようにデザートに頭を悩ますのもバカバカしくなっていた。

 

わふーちぇをつくって、あ、この方法があるんだ、と「1週間後に」気づいた。遅いよ!

そして、そういえば何年か前に、何か別のシャーベットのもと、みたいなのを探したことがあったけど、と昔の記憶がよみがえった。でも、また商品名が出てこない。…15分くらい検索をかけて、ようやく「シャービック」という名前に行きついた。やれやれ。

 

でもさらに、同じところでつまずく。「製氷皿がないじゃん!」

百均で買ってくるか…と考えながら、今、考えていたことを妻に伝えたところ、

「製氷皿ならあるわよ。冷蔵庫を買ったときについてきたもの」

ええ? 本当!?

 

驚いた理由はふたつ。ひとつは冷蔵庫を購入してから15年、製氷皿を見たことがなかったから。もうひとつは、ほぼ料理をしない妻が製氷皿のありかを知っていて、毎日料理をつくる僕は知らない不自然さへの驚き。結局、家のものというのは、すべて女性のテリトリーなのか…。

 

近々、いろいろ買ってみよう。フルーチェもシャービックもどちらもハウスの製品だったんだなぁ…。フルーチェシリーズには、今は、わふーちぇ以外に、すいか味等のシャリーチェというシリーズもあるらしい。そういえば、別会社のものだけれど、以前、陳健一さんの杏仁豆腐のもと、を利用したこともあったなあ…。

 

せっかく思い当たったんだから、いろいろ試してみよう。

子どものころの夏に戻った気分で。