安倍さんにリーダーでいてほしいなと思う人がまだ4割。

でも、年配の世代も若い人も僕の周囲も、周囲に4割も安倍支持はいないと、と感じている。

じゃあどうして世論調査であの結果が出るの? 官邸記者クラブに参加している大マスコミは、、独自取材をあまりせずに、官邸の発表をそのまま垂れ流すことが多くなっている。

そんな大マスコミのアンケート結果を信じることができるのかあ、というのが前回まででした。

 

以前は、朝日とTBS は反政権、みたいに思われていたけれど、昨年来、官邸の記者会見の担当社だったのは朝日だったとか。そのためか、ここのところ僕には、朝日に鋭さを感じられない。

 

一方、TBS はもっとドラスティック。

以前は民主党応援団だった「歴代総理番」田崎さんが安倍さん応援団長に変節して、つねにTBS のワイドショウに出演。肩を持つコメントばかりしている。

TBS 関係のジャーナリストには、女性記者に睡眠薬を飲ませてホテルに連れ込んで無理やり関係をもっちゃったと告発されたのに、無罪だか不起訴になっちゃった安倍さんのお友達もいるし…。すごくずぶずぶ、ずぶ…。

 

僕の感覚では、今、中立と思える大きなマスコミは、共同通信と。在京の新聞社では東京新聞くらい。中立を通り越して政権に厳しいのは、もちろん週刊誌の数誌だけれど、週刊誌はこれくらいがちょうどいいバランスだと思う。

 

こんな状況だから、いろいろなスキャンダルがあっても、安倍さんを本気で追求しようとする大マスコミはいない。20年前なら、もっと急先鋒的などこかの社が政権を追求し、自民党内からも政権への異論が出て、党内での政権交代が起きた。院政が敷かれるのではなく、別の派閥が、それまでのメンバーを駆逐してしまっていたはずだ。

 

マスコミは、政権交代が起こらない理由を、「代わりの人材がいないから」と、まことしやかに言うけれど、実際には、大マスコミが政権と共存しようとしてしまっていて、問題が起きても本気で追求しようとしていないから、のように思えるなあ。

 

マスコミも権力。大きくなった権力どうしが仲良くなることがあるように、大マスコミと政権が仲良くなることだってあるのだ。普通は一部の大マスコミと政権が仲良しになる、なのに、たまに大マスコミほぼ全部と政権が仲良くなっちゃうことがあって、そうなるとやっかいだ。

 

その代表が、第二次世界大戦のときだったらしい。マスコミはこぞって戦争をあおったとか。

僕が生まれる兆しもなかった頃の話だから、想像でしかないけれど、正当な戦争であることを喧伝したのは誰か、お国のためとあと押しして学生を戦地に赴かせたのは誰だったか?

国民のあいだに同じ意識と同調圧力が生まれなければ、女性が戦地に向かう息子の背中を、「お国のためだから行ってきなさい」なんて、押せなかったと思う。それをなしえたのは誰か?

政治家だけでできることじゃない。あのときも大マスコミが一緒になって意識形成をいたんだよね、きっと。

 

国と持ちつ持たれつな感じのマスコミが発表する40パーセントの支持率。しかも公共放送の調査では、支持が支持を上回ったことは一度もないような気がする。やっぱりちょっとへんだ。

 

政治家や公務員を縛るための「憲法」に、ここ8年で何度、手がつっこまれてきたか?

憲法を改めるには、とても厳しい手続きが必要。なぜか? それは、政治家が国民の意志を無視して、国を動かしてしまうのを防ぐため。

政治家の暴走を防ぐための憲法なのに、安倍さんはこの8年、「憲法解釈」というウルトラC で、憲法を何度も超えちゃってる。ダメだろ。

 

そんな憲法をないがしろにするヒトラーのような行為に、マスコミは大した異論も唱えない。

平和だったらしい大正デモクラシーの時代が、やがて第二次世界大戦へと変化していったときも、こんなふうに少しずつ政権と大マスコミが仲良くなっていった結果なんだよね、きっと。

 

40パーセントの支持率のもとになっているのは、大マスコミの世論調査。

国民は、どの世代も、「4割の支持率はおかしいよ」と思っているようなのだから、もう大マスコミにたよらずに、誰かが音頭をとって、ネット上で世論調査をしちゃえばいいのにね。…みんな手軽に参加しそうだ、

でも、不都合な結果が出たら、大マスコミが口火を切ってこう反論するんだろうな。

「そんなどんな奴がとりしきり、どんな奴が投票したからわからない世論調査なんてあてになるか!」

 

そこに政治が乗っかる…。ああ、なんか絶望的だなあ。

 

最後に。

安倍さんがやってきたことは、僕は憲法違反だと思うけれど、日本では、裁判所はなぜか政治がらみの判断をしないことになっているから、何をやってもうやむやのうちに、政治家のやり得になる。

小学校では「日本は三権分立です」と習ったはず。僕だけが、ごりごりの日教組の先生に教え込まれたわけではないと思うけれど、僕はこの言葉を知ってから、今までの50年間、三権分立を目の当たりにしたことがない。不思議の国、ニッポン。