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本当の悩みは言えない

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~」

と山田さんがため息をつき、

後を振り返ると不安そうな顔で

美奈子さんが山田さんに

抱きついている。

 

 

「美奈子さん、ご飯食べよう」

といい、山田さんが微笑むと、

 

 

美奈子さんは顔をあげ、

「ごめんね。山田くんが悩むのは

私が幽霊だからだよね?」

と言った。

 

 

山田さんは、

「今はもう、いいよ。好きなんだから

しょうがないし、後悔はしてないよ」

と言うと、台所の調理台に置いて

あるサラダを2つ持って、弟の部屋に

行こうとした・・・。

 

 

と、その時・・・・

 

 

「きゃぁー」

と1階から、サリーさんの悲鳴が聞こえた。

 

 

「あ、なんだろう」

と美奈子さんが言ったので、

 

 

「聞かなかったことにしよう」

といい、山田さんは弟の部屋に

向かっている。

 

 

ところが、、、続けて・・・・

 

 

「蜘蛛くん、ちょっと大丈夫?」

と大声でサリーさんが叫ぶように

蜘蛛さんに話しかけている声が

聞こえてた。

 

 

「山田、あれは・・・」

といい、弟の部屋の玄関をあけると

村上さんは山田さんをみて言った。

 

 

山田さんは

「蜘蛛さんが起きたんだろう。

呼ばれない限り行かないよ」

と冷たく言うと、弟の部屋に

入ろうとした。

 

 

しかし・・・

 

 

「蜘蛛くん!あーーー。

ちょっと、、、どうしよう・・・。

 

山田くん!村上くん!

来てぇー!お願い!

とサリーさんは叫んだ。

 

 

 

さすがに夜も遅いため近所迷惑に

なるので、山田さんは美奈子さんに

サラダを託すと、

「あ、そっか・・・・。美奈子さん

弟の部屋苦手なんだった。シチューを

ポリちゃんに持ってきてもらおう」

と言うと、サリーさんのところに

行く前にポリちゃんにシチューを

美奈子さんにとお願いした。

 

 

 

村上さんは

「なんでオレまで呼ばれるの?」

といいつつも行くしかなく・・・・

 

 

山田さんと村上さんは1階のサリーさんの

部屋に向かった。

 

 

 

その間もサリーさんは大声で、

「蜘蛛くん・・・。あー、それはダメ。

蜘蛛くん、しっかりして。あー。

なんで・・・ぎゃ!ちょっと・・・・」

と、騒がしいサリーさんの声が

聞こえていた。

 

 

山田さんと村上さんはアパートの

階段を降りながら、嫌な予感しか

しなかった。

 

 

続く

 

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