先日、森永卓郎さんの動画を通して1985年8月12日に起きた「日航123便墜落事故」への関心を持ち、早速、青山透子さんの「日航123分墜落 圧力隔壁説をくつがえす」を読んでみました。

 

 

青山透子さんは元日本航空客室乗務員として先輩や同僚含め520名が亡くなった「日航123便墜落事故」が何故起こったのかを長年に渡って根気よく調べておられます。その根気の良さには一人の人間として頭が下がる思いです。

 

この本は青山さんの”怒り”そして”叫び”です。

 

その”怒り”の元は、この事故で亡くなった520名、青山さんは胎児を含めた521名と書きます、の”無念”を思う気持ちです。

 

”叫び”はこの事故を過去のものとして葬り去ろうとする何かに対して。

 

私もこの事故はリアルタイムにニュースで見ていましたが、その後事故原因はボーイング社の圧力隔壁の修理ミスという発表があって納得していた大勢の一人です。

 

この本で知る内容は一つ一つショッキングなものばかりで、遺体が二度焼されたようだったという実際に遺体検分をした医師の言葉など、その最たるものでした。

 

外務省の公的書類には事故調査が始まる前から「墜落事故」ではなく「墜落事件」として扱われいたことも、実際の書類を証拠として明らかにされています。

 

「事件」には被告が存在しますが、著者がその被告が誰であったのかを明らかにすることに人生の殆どの時間を費やす覚悟と努力に頭が下がります。

 

さて、青山さんはこの墜落事件に関して調査結果を何冊も本にしておられますが、今回私が読ませて頂いたのは(”頂いた”としか言いようがありません)、今の所最新となる2020年7月に発行されたもので、そのメインテーマとなるのは、

 

🔶異常外力着力点

 

”圧力隔壁の修理ミス”押し通す調査委員会がその調査報告書を公開していますが、後に別冊としてそれぞれの項目について学者、研究者の補足説明を加えたものを新たに公開します。

 

青山さんはそれを丹念に読み、ある文書に”圧力隔壁説”の反証を発見します。

 

フライトレコーダーには航路と共に刻々の機体にかかる重力が記録されていることはこの本で初めて知りましたが、ボイスレコーダーに記録された”バーン”という音の直後から飛行機は操縦不能に陥るのですが、その時に機体にかかる重力がぐんと増しています。

 

調査委員会はその重力増加を圧力隔壁の割れ目から客室内の空気が一気に漏れ出て垂直尾翼の殆どが吹き飛んだ結果だとしていた訳ですが、その別冊には”異常外力が垂直尾翼に横から加えられた”と分析結果が載せられていたのです。

 

青山さんの著作にそのコピーが載せられています。

 

黒丸が異常外力が加わった箇所で、斜線部が破損して飛び散った部分です。この破損によりそこを通るエアパイプが破損し、飛行機は操縦不能に陥った訳ですが、それが圧力隔壁の破損によるものなのか、何らかの飛翔物が垂直尾翼に衝突したのかでその責任の所在は全く違ってきます。

 

詳細は青山さんの本を読んで下さい。

 

🔶ケネディ暗殺との妙な符合

 

1963年に起きたアメリカ、ダラスにおける時の大統領であったケネディが暗殺された事件は、それをリアルタイムに体験した世代のみならず世界中の多くの人の関心を集めました。

 

それはそこに”陰謀”を感じたからに他なりません。

 

私もこの暗殺事件に関してのいくつかの本を読んだりしていますが、結局は軍産複合体の思惑が根底にあったのだと思います。

 

ケネディ暗殺後、ベトナム戦争への米軍派遣は増強され、結果的にロッキード、ベル、コカ・コーラ等々の懐を潤し続けます。

 

さて、私が「日航123便墜落事件」に改めて関心を持ったのは、森元卓郎さんの動画でこの事件が扱われ、この事件の後、日本の外交政策がプラザ合意、日米半導体協定といった日本にとって不利でしかないものをいい諾々と受け入れるアメリカの属国姿勢を取るようになったことを知ったからです。

 

青山さんのこの本でも、このことに触れられその文章に”軍産複合体”という文字を見た時、反射的に「ケネディ暗殺事件」が頭に浮かんだ訳です。

 

この本に書かれていることが本当にあったのか、それはボイスレコーダーの生データの開示、相模湾のたった160メートルの深さにその存在が分かっている落下した垂直尾翼の引き上げが行われれば、少なくとも調査委員会の報告が正しかったのか、あるいは虚偽だったのかが分かります。

 

今の所ボイスレコーダーの内容は改ざんされたと思われるものしか開示されていません。そして現在は日航が所持していますが、その公開には色々な理由を付けて拒否しています。

 

海中の遺留物の引き上げは、すでに調査は終わった、費用がかかるという理由で行われていません。

 

「オズワルド単独犯行」として結論付けられた「ケネディ暗殺事件」、「ボーイング社による圧力隔壁修理ミス」が原因と結論付けられた「日航123便墜落事件」。

 

青山さんの本では「ケネディ暗殺事件」のことは触れられていませんが、私にはどうしても似たような背景を感じてしまいます。

 

最後に、これは青山さんの本には書かれていませんが、中曽根元首相が言ったといわれる(証拠はありません)”私が墓まで持っていく”という言葉。

 

仮に言ったとすれば、それはこの「日航123便墜落事故」についてだっとと想像できるくらい、この事件の闇は深いと感じているところです。

 

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亡くなられた521名(胎児も含む)のご冥福をお祈りします。